ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

57件の記録
- かむ@cheese_cake2025年10月5日買った読み終わったもちろん人間と喋れない人の話ではなくて、他者に話した時、気まずくなったり嫌われたりするような可能性のある話題をぬいぐるみに聞いてもらうという話。
- うえの@uen02025年9月20日読み終わった自分の加害性や弱さを抱え込みながら、優しくありたい、優しい世界であってほしいと祈りつづけるような物語。 映画がすごく好きで、いつか原作も読もうと思ってたんですが、忘れており。近所の個人経営の本屋さんで見つけて買いました。映画も小説もどちらも良い作品です。 印象に残った言葉------------- 軽薄さや無関心と間違えられてしまうようなやさしさ。 恋愛や男女の話があまりされない。そういう話、楽しいけど、疲れてしまうから。消費したり消費されたりしているって、自覚してしまうときがあるから。 でも、安心できるところの方がめずらしいじゃん。世のなか。 打たれ弱くて、いいじゃん。打たれ弱いの、悪いことじゃないのに。撃たれ弱いひとを打つ方が悪いんじゃん。 こうやって白城のなかで、ひどいことが自然法則みたいになってるのがつらい。 ごめん ラインを送ろうとして、でもごめんとかいって楽になるのは自分じゃないかと七森は思った。ごめんということばを送って、こっちこそごめん、を引き出す?それで白城も楽になる?その想定をする傲慢さによけいしんどくなった。考え過ぎだ、と自分でわかっているけれど、いまは沈みたい。 僕も最低で、この最低を抱えて生きていくことに酔えたらどんなに楽だろ。注意、したい。怒れるようになりたい。でも、こわいんだ、僕はただ、他のひとたちにも、自分の言動でひとが傷ついているかもしれないって気づいてほしい。気づいて、そこからはみんな仲良く、健康に生きてくれたらいいのにな。いまの僕みたいに、しんどくなってほしくない。 嫌なことをいってくるやつはもっと嫌なやつであってくれ どんなことばも、社会から発せられたものだ。 やさしすぎるんだよ、と白城は思う。傷ついていく七森と麦戸ちゃんたちを、やさしさから自由にしたい白城は、ぬいぐるみとしゃべらない。 お互いひとりでいるような感じでだれかといたいとき たかが結婚で私のこと変えられると思うな 心に鎧を装着して身構えてください 彼女は他サークルや社会で起こっているセクシャルハラスメントに気づいていないのではなく、きちんと「ひどいこと」と認識した上で、自分の視界から外している。たとえ自分自身が被害にあっていても、「子供みたい」な七森や麦戸と異なり、つらいと言わないし、認めない。加害者にならないよう努めている七森に対し、被害者でいたくない白城は対照的だ。ジェンダー問題に限らず、声を上げても無駄だと達観したり強者の理屈を内面化したりして、被害者や立場の弱い者がどうにか現実に順応することは、悲しいことにそんなに珍しいことではない。これは今まで、多くのフィクションが金や性に汚い大人と純粋な子どもの闘いを描いてきた弊害でもあると、私は思う。成熟することは、理不尽であること、そしてそれに従うことを指すようになってしまったからだ。 血のつながった家族であっても他者とみなし、そして他者を操作できない存在として認め、放って置けないけどそっと見守っている。相手の世界を侵害せずに関係し合うことの例を見せてくれる。 「ふつうにひどい」現実の中で身を躱しながら暮らしていて、痛いとか苦しいとか、助けを求める言葉すら忘れてしまいそうな白城をやさしくない人間にデフォルメして描写することもできるのに、彼女の世界を侵害せずに解きほぐして書かれている。大前さんの書く厚い包帯のような物語の数々が、七森や麦戸に共感するひとはもちろん、白城のようなひとにも届いて、その放っておかれた傷をもふんわりと覆えばいい。
- りな@ainnaquartz2025年8月26日読み終わったぬいぐるみとしゃべる人はやさしい→バスタオルの映像→たのしいことに水と気づく→だいじょうぶのあいさつ→解説の順で読了。 しれっとした男性の独占欲の濃淡さが各作品に感じる。 たのしいことに〜の話が個人的に共感できる所が多いかしら…
- シマコ@_shi_ma_ko_2025年6月15日読み終わった🧸 ぬいぐるみとしゃべる人も、しゃべらない人も、やさしい。 話を聞いてくれる人は尊い。 この人と一緒にいる時の自分がすきだと思える人と出会えることはとってもすてきだと思う。 ・ どうしようもないけれど、 生きづらいときもある。そんな時に隣に落ち着く人がいてくれたら嬉しい。
- 金平糖@konpayto_72025年4月28日読み終わった2ヶ月くらい前に同タイトルの映画を観てすごく大切な映画になったので、原作であるこの本も読んでみた。 表題作以外の短編三作も含めて、「わたしも...! いっしょだ...」となる瞬間が多かった。わたしたちは、傷つけることと傷つけられることを恐れて、痛みを感じることも忘れることも怖くて、だからぬいぐるみとしゃべるんだ。
- あるる@aru_booklog2023年7月9日かつて読んだ読んだ時は、多分最近のトレンドはこういう繊細な物語なんだろうな...と思った記憶。なんとひねくれた感想だろう。自分も繊細だと思っていた時期がありました。最近はあれ?自分割とゴリラ寄りでは??みたいな瞬間がいっぱいある。