DN/HP "ナショナル・ストーリー・プロ..." 2025年3月19日

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2025年3月19日
ナショナル・ストーリー・プロジェクト 2
ナショナル・ストーリー・プロジェクト 2
ポール・オースター,
柴田元幸
「瞑想」というチャプターの最後、本編自体の最後に収められた「ありきたりな悲しみ」はエッセイとしても短編小説として読んでも完全に素晴らしい。巧みに書かれた、ラジオに寄り添われて喪失から立ち直ろうとする話がラジオから生まれた本の最後に収められている、というのはわざとらしく出来過ぎな構成な気もするけれど、それもまたひとつの「本当におきた話」として素敵なことだと思いたい。 「ラジオの音は私たちの守護天使だ。遍在しつつも慎み深い。我々があれこれ用事を足して動き回るなか、我慢強くついて来てくれる。その粘り強さが、どんなに突然で辛い孤独も慰めてくれる。私たちの心と、遠く離れた壁との隔たりをそれは和らげてくれる。こんなふうにラジオは寛大であり、孤独な人たちには寛大さが必要なのだ」
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