しんどうこころ "風立ちぬ/美しい村改版" 2026年4月28日

風立ちぬ/美しい村改版
堀辰雄はもっと評価されてほしい作家である。静謐で余白があり、美しい。 手元にあるのは岩波版。『風立ちぬ』と『美しい村』の二作を収録したもの。美しい村の方が含みが多く、より文学的。風立ちぬはストーリーがしっかり立っており、非常に読みやすい作品。 --- 美しい村 季節のうつろい、時間の経過、美しかった記憶。 対象との関係は気づけば姿を変え、どこか触れがたいものになり、そしてわたしから離れていく。 清らかで静謐な描写と、ときおり現れる仄暗さの、静かなコントラストが美しい。 --- 風立ちぬ 過ぎていく時間と、すり減っていく生命。すべては、美しいサナトリウムの季節の中で進んでいく。 夢にまで見た、小説のように美しい哀憐。だがそれは想像よりも残酷である。 二人の時間は悲しみで閉じたのではない。 短く、しかし他の誰よりも強く燃えた炎は、二人に何ものにも代えがたい幸福を残したように思える。
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