しまりす "竹取物語" 2025年3月18日

しまりす
しまりす
@alice_soror
2025年3月18日
竹取物語
竹取物語
森見登美彦
『新釈 走れメロス』ほどではないが、随所に森見イズムを検知する脳内のセンサーがビビビッと反応した。 竹取物語自体は昔から、絵本に始まり、子供向け番組、高畑勲の映画など、多くの作品で触れてきた。 私はいつもかぐや姫の気持ちに寄り添う感情で観ていた。シンプルに、出てくる周りの人物が主に男であって自分が女だからかもしれない。周りのルール、世間の常識に迎合せよ、とさんざん言われ、拒絶する姿を自分に重ねて見ていたし、今でもそう見てしまう。 最後、月に帰っていくが、今までの男たちからの求婚と同じように月の使者もやはり大いなる権力の象徴であって、この国に未練があり育ての親と別れたくないかぐや姫の思いを最終的には踏みつけにする効果がある。どんなに優れたものでも、権力のような大きな力を持ったものには結局逆らえないというメッセージでもあるのだろうと思う。
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