
中村
@boldmove33
2026年4月29日
トレーディング・ゲーム
ギャリー・スティーヴンソン,
千葉敏生
読み終わった
優秀なトレーダーが実務経験について語っている。彼の能力は、大金を稼いだという実績からだけでなく、彼の詳細な人物描写からも伺える。周囲の人がどのような人で、どのような目的があり、どのような意図で動いているのかという点をギャリーはつぶさに捉えようとしている。いい目があるのだろうと思った。身も蓋もないが、金持ちになるためには金持ちの父親から生まれるのが重要であるという主張は面白かった。トレーダーとしての最後のキャリアは東京で過ごしていたようで、その街並みが丁寧に描かれているので親近感が湧く作品でもあった。
>その瞬間、僕が気づいたのは、僕たちは同じだということだ。みんな同じ。ドラッグの売人、銀行家、トレーダー、今の僕、当時の僕、カレブ、サラヴァン、ブラサップ、ルパード・ボブハウス、ジェイミー、イブラン、JB。みんな同じだ。唯一のちがいは、父親が金持ちかどうか。(p. 411)
>東京は、僕みたいな孤独な男にとっちゃグルメ大国だ。春が来れば、そこに春の陽気が加わる。[……]その店の営業時間は短く、寝過ごしてしまうことも多かったけど、そんなときには〈吉野家〉があった。吉野家の甘い牛丼。僕の夜の帝王。あの明るいオレンジ色の看板に裏切られたことはいちどだってない。吉野家は二十四時間営業の牛丼屋だ。いつ食べても、うまい、早い、安い。食べ放題の紅生姜。時期によっては、ウナギも食える。