62yen
@62yen
2026年4月30日
ペドロ・パラモ
フアン・ルルフォ,
増田義郎,
杉山晃
読み終わった
過去の断片が円環構造に閉じ込められた、死者の書。これが『百年の孤独』を生んだと言われるのも納得した。構成だけでなく繰り出されるエピソードにも共通点を見出せる。
ひとくちに円環構造といっても、『百年の孤独』よりはボラーニョの『2666』に近いつくりになっている気がする。それらの大作たちとぜんぜん違っていて凄みを感じるのは、この小説がそれほど長くない点。無駄が少ない感じがして、はるか昔からある神話のようにも感じられる。
構造とか全体像はそういう印象なんだけど、もっと細部の、人物の粗野な語りや朴訥な語りの中に、ものすごい強さを感じる。個人的にはそこがいちばんの魅力。死者が平気で喋り出すのはまあ、後世のマジックリアリズムで乱発されたせいか新鮮味はなく、でもこれは日本で言うとお盆みたいな土着的な感覚で、特に文学的手法とかではないのかもなと思ったり……
どうでもいい細部かもしれないけど、土を食う女は、この本にも『百年の孤独』にも出てくる。土を食うということは何かの象徴なのだろうか?
