ペドロ・パラモ
32件の記録
しんどうこころ@and_gt_pf2026年3月23日読み終わった巻末、訳者・杉山晃氏の解説を読んで、くやしいかな、ここで初めて全体像が見えてくる。 断片と記憶、そして声。 幻想的な浮遊感とは異なる、もっと根源的な「浮遊」がこの作品にはある。時間は断片化され、宙に浮いたまま、不規則に現れる。 冒頭では何が起きているのか分からないほど読者を突き放すが、読み進めるにつれてゆるやかにピースが接続されていく感覚が面白い。 本作はストーリーが円環構造をなしていると言われるが、一度読んだだけでは正直、掴みきれなかった。 再読のたびに、また違った顔を見せるのだろう。


読書猫@bookcat2026年2月2日読み終わった(本文抜粋) “「この町はいろんなこだまでいっぱいだよ。壁の穴や、石の下にそんな音がこもっているのかと思っちまうよ。歩いていると、誰かにつけられてるような感じがするし、きしり音や笑い声が聞こえたりするんだ。それは古くてくたびれたような笑い声さ。声も長いあいだに擦り切れてきたって感じでね。そういうのが聞こえるんだよ。いつか聞こえなくなる日が来るといいけどね」” “空気がほしくて外に出た。だが、暑苦しさは依然として体にまといついて離れなかった。 というのも空気がどこにもなかったからだ。八月の酷暑に熱せられて、けだるい淀んだ闇しかなかった。 空気がなかった。口から吐き出される息が四散しないうちに手のひらでおさえ、もう一度吸い込まねばならなかった。そうやって吐いたり吸ったりするうちに空気がだんだん薄れていった。とうとうかすかになったいきまで指の間から洩れて、永久になくなってしまった。 そう、永久になくなってしまったのだ。” “男たちが行ってしまうと、おまえは、ひざまずいて、母さんの顔が埋まっているあたりの地面に口づけした。もしわたしが声をかけなかったら、おまえはそこに穴まで開けてしまったかもしれない。「行きましょう、フスティナ。母さんは別のところにいるのよ。ここにあるのは、ただの死んだ体なんだから」”

gato@wonderword2025年12月1日引用空気がなかった。口から吐き出される息が四散しないうちに手のひらでおさえ、もう一度吸い込まねばならなかった。そうやって吐いたり吸ったりするうちに空気がだんだん薄れていった。とうとうかすかになった息まで指の間から洩れて、永久になくなってしまった。 そう、永久になくなってしまったのだ。 p.97 「もう恐がらなくていいよ。もう誰もおまえさんを恐がらせることはできないさ。楽しいことを考えるようにした方がいいんだよ。うんと長いあいだ土の中にいなくちゃならんのだからね」 p.104



gato@wonderword2025年12月1日読み終わっため〜〜〜〜〜〜っちゃよかった。なんで今まで読んでなかったんだろう。死者たちのささめきだけがこだまする町で再演され続ける人びとの記憶。カトリシズムの煉獄という概念を一つの町とその住人に落とし込んだよう。『黄色い雨』のフリオ・リャマサーレスってルルフォの影響を受けているのかな。







gato@wonderword2025年11月20日映画観たネトフリで映画版を見た。生き別れの父を探してゴーストタウンに辿り着いた男がみた悪夢。ロケーションがよく、眩い太陽の下、がらんどうになった20世紀のメキシコの町の景色が美しかった。女性たちの演技もよかった。面白かったので原作を注文。

素潜り旬@smog_lee_shun2025年8月24日読み終わった今日、奈良の素晴らしい佇まいのベニヤ書店でフアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』を購入し、その勢いで読了。父親をめぐる円環にいま書いている詩が呼応した。帯を見るにずっと棚にあったのだろう、8年くらい…そういう本との出会いを大切にしたい。詩にもいきてくる。
RIYO BOOKS@riyo_books2023年10月7日読み終わったさあね、何年も顔をあげなかったもんだから、空のことなぞ忘れちまったよ。ま、空を仰いだって、どうにもなりゃしなかっただろうよ。天はうんと高いし、目もずいぶん弱ってたから、わしにゃただ地面だけ見えてりゃ言うことはなかったからね。それに、天国へはもう決して行けない、遠くからだって見られやしないってレンテリア神父が言うもんだから、もうどうでもよくなっちまった……。わしの罪のせいさ。でもな、神父様はそんなことなぞ言わなくてもよかったのさ。生きるってことだけで、もういいかげん苦しいんだから、死んだら別の世界へ行けると思うからこそ、足を動かす力も湧いてくるってもんだろう。天国から門前払いを食わされちゃあ、あとは地獄の門をくぐるしかない。それじゃあ生まれてこなけりゃよかったってことになる……。なあ、フアン・プレシアド、わしにとっての天国はここさ。わしが今いるここだよ。



























