
mikechatoran
@mikechatoran
2026年4月30日
タイム・シェルター
ゲオルギ・ゴスポディノフ,
寺島憲治
読み終わった
海外文学
認知症の治療に「過去」を取り入れたクリニックが開設され、記憶の中心にある時代に合わせた空間で治療を行うことで好評を博す。だが、やがてその「過去」への回帰の方法はクリニックの外の現実をも急速に侵食していく...各国の国民投票の過程を扱った章がめっぽうおもしろい。しかし、それは暗転する。かつてノスタルジーは甘く切ない、個人の心に安らぎをもたらすものだったが、今やポピュリズムと結びついてある種の「武器」となっている現実を著者はあぶり出す。まさしく時宜にかなった小説で、すばらしい読み応えだった。
