
乖離
@karu
2026年4月30日
火星の人〔新版〕 下
アンディ・ウィアー,
小野田和子
読み終わった
映画化されたときに「火星で鉄腕ダッシュ」と話題になったのを目にしていました。帯には「科学を希望に変えるサバイバルSFの最高峰」と謳われています。まさしく!
嵐に見舞われ一人火星に取り残されることになった宇宙飛行士で植物学者でエンジニアの主人公。
彼は、火星でジャガイモを育てたり、テント付きキャンピングカーを工作してドライブしたり、生き抜くために驚くべき創造力を働かせ……
ドリルの置き場所を間違えるといったうっかりミスで電子機器を焼き尽くす窮地に陥り……
しかし、けっしてユーモアを忘れない(信頼する船長の音楽の趣味にケチをつけることや、
全世界に公開されるNASAへの通信でギャグを飛ばすことをけっして忘れない)魅力的なキャラクターです。
主人公と分かたれたクルーたち、NASAや地球の科学者たちの協力もドラマティック。
正直に言うと、私は算数が苦手なので数字が出てくる部分はおおよそ「なんか賢い計算」と読み替える駄目SF読者ですが、アンディー・ウィアーの描く主人公はそうした読者にも大変親切。
例えば、主人公が消費電力量を節約、計算しなければならなくなった際に"キロワット時・毎ソル"を表す新しい単位を"パイレーツ・ニンジャ"にしたのは最高でした!
おかげで私の理解の及ぶ範囲でも「熟考、ひらめき、なんか賢い計算、悪態、三・六パイレーツ・ニンジャ節約!」と、大変楽しく読めるわけです。
このように、とてもエンタメ的でありながら、訪れる危機的状況が隕石衝突のような天文学的確率のヤラセ感がないことも説得力を増して素敵!(これは文庫解説でSF評論家の中村融氏が分かりやすく触れています。文庫版を手に取った方はぜひそちらを読んでください)
アンディー・ウィアーのおかげで、子どものころに宇宙図鑑とか子ども向けの科学雑誌を読んでいたころの気持ちを思い出し、近頃個人的にSFブームが再燃しています。
わくわく!!!




