
nogi
@mitsu_read
2026年4月30日
ロゴスと巻貝
小津夜景
読み終わった
小津さんの次の本まで……と思いながら2年ちょっと読んだりやめたりして最後まで読まずにいたのを、新刊が手元に届いたのでようやく読み終えた。
小津さんの文章を読んだあとのこの余韻をなんと表したらよいのかわからないし、すきだという気持ちをどう言語化したらいいかもわからないけれども、ああ読めてよかった、この本がここにあってよかった、としみじみした。
p210-211
〝そういえば、思考というのも、人間のもろさをかばうみたいに永続性や堅牢性を目指したがるところがある。でも思考の正体は制作ではなく生成だ。ひとは考えようとして考えはじめるのではない。それは勝手にふわふわ浮かんでくるのである。(中略)
思考を編集し、精製されたわずかな作物を抱えて、ふと足もとを見る。籾殻や糠がたっぷり落ちている。なにかがまちがっている。(中略)
わたしには、それらを無視することができそうにない。それで非力な言葉と向き合い、構造の盲点をさぐり、捨象の裏をかき、わからなさをわからないままの状態で詩にからめとろうとする。言葉の軽さを盾にとり、論理の鎌から身をかわし、風に飛び乗る。舞い降りた土地でなにを実らせるのか、定かではないままに。〟


