伊藤裕満 "鍵のかかった部屋" 2026年4月30日

鍵のかかった部屋
鍵のかかった部屋
ポール・オースター,
柴田元幸
失踪した親友ファンショーの妻と恋に落ち、結婚する「僕」。「あ、探偵小説じゃないんだ」と思って読み進めるとしっかり探偵小説の構造は持ちつつ、前二作同様、アイデンティティと他者というテーマは通底している。 NY3部作最後の作品で、前2作と比べて人間関係や感情のドラマなどがかなり増えている印象。この年齢で読むと、子供の扱いが少し物足りなかった。「息子」は重要な要素な気がする。 どうしても比較してしまうが、村上春樹『ノルウェイの森』が1987年で『鍵のかかった部屋』は1986年。空気が似ている。
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