
ころもで
@kimigatame48
2026年4月30日
カフネ
阿部暁子
読み終わった
誰もが抱える「だれか助けて」を掬いあげて癒し、再生に向けて励ましながら、「他者を理解できていないことを理解する」からはじまる希望と割り切れなさを描いた物語。
極めて読みやすい文体。
読後感としては、90分の良作映画を観たあとに似ている。
「すごく大切な、重くもできるテーマを扱ってるんだけど、あえてライトめに飲み込みやすく作ってくれてて、なおかつ90分。正直助かる。」みたいな。
“「死ぬまでは生きなきゃいけないし、健康じゃないと生きるのはますます苦しくなる。なるべく快適に生きるためにも栄養は必要。あとね、おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘力が上がるよ」”
印象的なフレーズ。
心のポケットに入れておいて、弱ったときにまずはおにぎり!戦闘力!と立ち上がりたい。
その他、極めて個人的な所感。
出産・出生することの希望を持ててしまう感は一体何なのだろう。全てをリセットできそう感。免罪符くらい強い。
人間はこの「感じ」に、良くも悪くも振り回されている気がしてならない。
ラスト近く、薫子とある人物との会話に、あらためてそう感じた。
おや?と感じた点は、会話文がYAのようなライトさで、それでいて「~わよ」「~だわ」といった記号的な女性語尾がまだ生きてるんだ…ということ。
作家が何を内面化して、何を狙ってそういう表現をするのか、機会があれば知りたいところ。





