
Unununium
@Unununium_111
2026年5月1日
君のクイズ
小川哲
読み終わった
読みやすい文体で、200ページ弱くらいなのでサクッと読める。
QuizKnockも時々見ているので、白瀬矗がでて来た時には思わずクスリとしてしまった笑
物を記憶するには単純にその物を記憶しているのではなく、自分の体験やその時の感情と関連付けて記憶している…つまりクイズは自分の人生を問われていて、その自分の問題に正解した時に人生を肯定されたように感じる。特に辛く苦しい経験は「そんなことが無ければ良かったのに」と自分で否定してしまいがちだが、その辛い経験があったから答えられたクイズがあり、答えられて正解した瞬間に「あの時の苦しさ辛さは間違ってなかったんだ!」と自分の人生を認められる。
クイズプレイヤーがみんなそんな風に感じるわけじゃないのかもしれないけど、失敗したことや辛かったこと消してしまいたいような体験でも、それがなければ正解できなかった問題が確かにあって…苦しみが昇華され今の正解に繋がる感覚が、人生を肯定してくれる感覚が、クイズから得られるのだとしたらクイズプレイヤーを目指してみたくなる気持ちが分かるなと感じた。
【以下ネタバレ含む】
ラストで本庄絆がクイズで成功者になるために、ビジネスのために『ママ.クリーニング小野寺よ』をゼロ読み正答したことが判明するが、個人的にはその前の半分嘘の真相の方が好きだったし、共感できた。
それこそが主人公と同じように「本庄絆」という偶像を私が勝手に作り上げた結果、または三島に感情移入し過ぎた結果なのかもしれないが、なんとも後味が悪く、腑に落ちない。私は三島と違ってクイズプレイヤーじゃないからクイズのために「恥ずかしい」という感情を綺麗さっぱり捨てたみたいに、「本庄絆」を綺麗さっぱり忘れることは出来ないから、ずっと砂を噛んだみたいな感情が残り続ける。
これも私(読者)にとっての一瞬の『熊の場所』になるのかもしれない。そこまで狙って書いてるのなら本当に凄いと思いつつ、やっぱりスッキリ終わって欲しかったなぁとも勝手ながら思ってしまう。

