メルキー "日記をつけて何になる?" 2026年5月1日

日記をつけて何になる?
蟹の親子さんと言う人は、のんて優しい人なのだろう。書かれている内容から考えられる思想だけでなく、言葉の選び方、文章の紡ぎ方ひとつとっても、どうかこれを読んだ人が傷つきませんように、という細やかな配慮が伺える。 そして、日記をさまざまな角度から語っていて、特にやめることに対する肯定的な考え方が素晴らしかった。 これは、日記のことだけに限らず、色々な人に勇気を与える本だと思う。 昔から日記を始めては続かないということをなん度も繰り返してきた。繰り返してきたのは、やっぱり日記を続けることに憧れがあるから。 開始数ページで「この本を手に取るくらいですから、きっとみなさんは後者に近い繰り返す人じゃないかなと思います」とあり、見事に当てられてしまった。 --- 日記を読む姿勢として「書いてあること以外のことは受け取らない」というのは、いかなる場面においても大切なこと。 「大切なのは、決めつけないこと、差し出された言葉の重みを素直に受け取ること」 「一過性のブームの終わりは、実はより本格的な、文化的変化の始まりを予感させます。」 ブームが終わることで文化になるというの、すごく良い。 「やめることも一つの選択。状況が変わった、関心が移ったなどで営みをやめることは自然な変化の一部。変化が起きているのに受け入れず無理に続けることの方が不自然。」 「残すことは過去の自分とのつながりを、再会の可能性を保つこと。手放すことは、過去から自由になること。」 「デジタル環境ではアルゴリズムによって届けられる。日記はそうした分類を拒む。日常で他者と察する時も、相手が何を言うかどんな感情を抱いているかを完全に予測することはできない。それでもその不確実性を受け入れながら関係を築いていく。 日記を読む時のゾーニングができないという体験は、人と人が向き合う時の根本的な状況と似ている。 著者の予期しない感情の爆発や、突然の悲しみに触れた時も、想定外として退けるのではなく、この人に、この出来事が、起きたとただ受け止める。」
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved