
えい
@shibamoti
2026年5月2日
野の花と小人たち
安野光雅
読み終わった
画集・写真集
@ 自宅
美しく細密な野の花の姿を、ぽつりと入り込む小人たちとともに描いた画集。
水彩の輪郭は柔らかだが、驚くほどリアルだ。絵と併せて掌編コラム的短文も添えられているが、小人たちの可愛らしい姿と対照的に、いずれも郷愁と寂寥の強い文に思える。
人間に花は創れない。「一度失われたものはもう決して戻らないのだ」と、戦中含め昭和から平成の激動する時代を生きた作者が言うのは、非常に重いことのように感じられた。
絵の中の小人たちは殊更存在や物語を主張するでもなく、ただそこにいる。気持ちを押し付けず、そっと寄り添うように生きている。その姿からは作者の自然観を読み取れる気がする。