
ヒナタ
@hinata625141
2026年4月30日
ほんのささやかなこと
クレア・キーガン,
鴻巣友季子
読み終わった
ちょっと前に映画館で見た『決断するとき』の原作のアイルランド文学だ。著者グレア・キーガンの著作は『あずかりっ子』に続いて読むのは二作目。
未婚で身ごもった女性や当時のいわゆる「ふしだら」な若い女性が強制的に収容されていた教会(アイルランドに実在したマグダレン洗濯所がモデル)で、彼女たちが非人間的な扱いを受けていることを知った主人公が何を決断するのかを丁寧に描いた物語だ。
あくまで個人の心の内の決断や行動を起こすことについての話なのだけど、それはあまりに普遍的で、国や時代を選ばず読んだ人が胸に手を置きたくなるような話だと思う。
〈町を歩けば知った人にも知らない人にも行き会ったが、ファーロングはいつのまにかこう自問していた。たがいに助けあわずに生きてどうする? そこにある現実に勇気を奮って立ち向かうこともせず、長いこと、何十年も、下手したら一生すごしたうえで、それでもキリスト教徒を名乗り、鏡の中の自分と向きあうことなんておれにできるか?〉
モノローグをあえて入れなかった映画の脚本は映像の力、役者の力を信じていてそれも素晴らしいと思ったけど、やはり原作のモノローグには泣かされるものがあった。


