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ヒナタ
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@hinata625141
  • 2025年8月23日
    コンタミ 科学汚染 (講談社文庫)
    一人の優秀な女性科学者の失踪と彼女が関わっていたとされる疑似科学ビジネスの謎を追うミステリー。 科学が人の心を救うわけではない、だから往々にして科学(という名の正しさ)が負けることがある。誰だって不安につけ込まれることはあるし、何かに祈らざるを得ないこともある。この物語は科学者の視点だけど、そんな人間の弱さを突き放さない、優しい視座があるのがよかった。
  • 2025年8月16日
    ジョゼと虎と魚たち
    帰省先で初めて入ったカフェの本棚にあったのでひさびさに手に取った。家にもあるのにね。いくつか再読。 「お茶が熱くて飲めません」 数年ぶりに訪ねてきた元恋人との再会のひととき。ユーモラスで好き。おせいさんの大阪ことばはいいなぁと、最初の一編から引き込まれる。 「恋の棺」 自分に気のある甥っ子と過ごす夏のホテルの一日。全然いやらしくないのに官能的。タイトルも好き。 「ジョゼと虎と魚たち」 これ文庫でもたった25ページしかないんですよね。これをいっさいの中弛みのない長編映画用の脚本に仕立てた渡辺あやすごい。原作ももちろん好きです。ジョゼが恒夫を揶揄うように「管理人」と呼び、恒夫も恒夫で「管理人としましては…」とか言い合ってるとことか、日常と言葉に溶けとむ愛。
  • 2025年8月16日
  • 2025年8月16日
    コロナ禍と出会い直す
    「この夏の星を見る」という映画を見てからコロナのころのことを少し振り返りたいなと思って選んだ一冊。 世界的に見ればコロナを抑え込めたとはいえ、それで不問にするにはおかしなスローガンや社会の空気形成があったのは事実で、そういうのはいちいち振り返る必要があるし、次に起きるのはコロナじゃなくふたたびの戦争かもしれない。 日本は同調圧力が強い社会というのはよく言われるし、それってなんなんだろうとずっと考えてたんだけど、結局は他人の決断を尊重できない、尊重まではしなくてもいいけど他人は他人だと割り切る力が弱く、他人の決断を許せないと感じてしまうことが根本にあるのかなと本書を読んで考えた。 きっと社会の空気というのは変えるのは難しくて、だからこそ過去を振り返ることが大事なんだなと思った。
  • 2025年8月15日
    翡翠色の海へうたう
    再読。 慰安婦問題は日本の問題なのに日本ではきちんと語られてないよね…と改めて思う。本書はフィクションとしても読みやすいし、当事者でない人が難しい歴史問題に触れることについてもとても誠実なのでおすすめです。
  • 2025年8月14日
    翠雨の人
    翠雨の人
    戦前の女性が高等教育を受けることも珍しかった時代に科学の道を切り開き、戦後は第五福竜丸の被爆事件を機に水爆実験による放射能汚染を実証し核兵器廃絶を訴えた、日本の女性科学者の草分け的存在、猿橋勝子さんの人生をテーマにした歴史フィクション。 伊与原先生の科学の専門的な知識を物語や文章に落とし込む力や丹念な取材力がいかんなく発揮されているように思う。 また、戦時下に科学が利用されることへの葛藤についての丁寧な描写は、今の大学や研究を取り巻く状況を踏まえてではないかなと感じた。猿橋さんは女性初の日本学術会議会員でもあったそう。同会議は「軍事目的のための科学研究を行わない」と声明にうたっている。 ふたつの原爆投下の日のあいだにこの小説が読めてよかった。第五福竜丸のことももっと知られるべきだと思う。たくさんのひとに読んでほしい本だし、いつか朝ドラになってほしいな。
  • 2025年8月14日
    ガラスと雪のように言葉が溶ける-在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡
    この数週間、自分の体に染み込ませるようにこの本を何度も開いて読んでいた。 日本で暮らすルーマニア人のイリナ・グリゴレさんと、在日韓国人三世である尹雄大さん、日本語によるおふたりの往復書簡。往復書簡、好きなんですよね。 おふたりのそれぞれの状況と日本語との距離、などを想像しながら、自分がいかに無自覚に日本語を使っているか、ということを考えながら最初の方は読んでたのだけど、読み進めるうちにそもそも文字に頼りすぎな自分自身に気付かされる。 文字を読む=情報を得る、ということはなんとなく良いことのように思っているフシがずっと自分の中にある。SNSを読み、新聞記事を読み、小説を読み、商品パッケージの裏の情報までも読む。読むことが好きだから、ということはあるけど、あらためて考えると偏りすぎだなぁと思う。 ちょうど帰省をしていることもあって、少しのんびりしてSNSから離れ、窓の外の雨の音を聞き、海や空を眺める時間がいくらかあったのがよかった。また東京に戻れば生活はあっという間に文字に飲み込まれてしまうだろうか。 沈黙して感じ取りたい。それを言語化するときは横着せずに言葉を探し続けたい。
  • 2025年8月4日
    どこかの遠い友に
    どこかの遠い友に
    わたしはあまり詩を読む方ではないし、この本の編者でもありハンセン病資料館の学芸員でもある木村哲也さんのトークイベントに参加するまでこの船城稔美さんのお名前すら知らなかったのだけど、この詩集に出会えてよかったなーとしみじみ思ってる。船城さんの詩はぜんぜんむずかしくない。社会への怒りも疎外されるさびしさも恋の瑞々しさも切なさも全部ある。そして痛みを抱えた人を一人にしない力がある。デモの場とかで音読されたりするといいんじゃないかなと思う。わたしはこういう詩が好き。これからも何度も読み返したい。
  • 2025年8月4日
    無意味なんかじゃない自分 ハンセン病作家・北條民雄を読む
    評伝は読むのに時間のかかるイメージだけど荒井さんの文章はやっぱり読みやすくて、文学者としてよりも一人の孤独な若者としての北條民雄のことを知ることができてよかった。北條の作品もこの夏のうちに読んでおきたいな。
  • 2025年7月27日
    女性画家たちの戦争 (平凡社新書780)
    再読。近代美術館で開催中の「記録をひらく 記憶をつむぐ」で見ることのできる「大東亜戦皇国婦女皆働之図」についてめちゃめちゃ詳しい。
  • 2025年7月27日
    女性画家 10の叫び
    ほんの少し時代を遡るだけで(そして国や地域や家庭によっては今でも)「女が画家になるなんて」、さらに日本では「女が洋画なんて」と言われる時代が長くあって、それでも諦めることなくアーティストであることを貫き通した女性画家たち10人の物語。 いわさきちひろが共産党員であったことは知ってたけど、両親が戦争協力者として公職追放の処分を受けていたというのは初めて知った。自分自身もまたその恩恵を受けていたのがつらかったんだろうな…ちひろ美術館、この夏のうちに行ってみたいな
  • 2025年7月27日
    この夏の星を見る 下(2)
    映画を見てから小説。物語で描かれるコロナ禍の始まった2020年の翌年2021年に連載が始まったと知って、辻村さんは切実に、そして少しでも早くこの物語を中高生に(もちろん大人たちにも)届けたかったんだろうな…と思う。映画はほぼ原作に沿ってるけど映画には入らなかったキノコの話や長崎の平和の日のエピソードも読めてよかった。綿引先生に岡部たかしさんをキャスティングしたの大正解だと思う!!!
  • 2025年7月27日
    この夏の星を見る 上
  • 2025年7月25日
    BLと中国
    中華BLを読んだり見たりしたことのないわなしが読むのもどうなんだと思いつつ、とても興味深かった。もともと中国はポルノグラフィティに対する検閲が厳しく(さらにBLは商業出版不可)(でもpixivみたいなサイトはある)、なのにレイティングなどのルールがないせいで逮捕の基準などがまったくわからない、つまり検閲の運用が恣意的であるのはやっぱり怖いな…と思った。 全体主義というのは家父長制が根元にあるのでどうしたって男性が消費対象になることを良しとはしない一方で、『陳情令』のような世界的なヒット作が生まれたことにより、国がブロマンス作品を利用しようとする動きがあることも覚えておきたい。 『陳情令』見てみようかなって思った(けど長いよね……笑)
  • 2025年7月21日
    九龍城砦1 囲城
    九龍城砦1 囲城
    ラストどういうこっちゃ!?!?と混乱しつつも勢いがあって面白かった😂映画と比べて読むと楽しい。
  • 2025年7月5日
    ババヤガの夜
    ダガー賞受賞おめでとうございます!!!ということで再読。ノワールなテルマ&ルイーズ。生まれも育ちも趣味も正反対な女の子二人が仲良くなる話、みんな好きなやつ。ミスリードの仕掛けがあるのが面白い。そしてやっぱりラストシーンがカッコよすぎ!!!って思いました。あまりに切ない幕切れだけれども。
  • 2025年7月5日
    月まで三キロ
    月まで三キロ
    科学にまつわるトピックを違和感なく物語に溶け込ませることができるのが伊与原文学の持ち味と思うのだけど、デビューがミステリーなせいか中間小説的な短編の中にも小さな謎を仕込むのもとても上手いんだなぁとこの短編集を読んで気付かされた。そして伊与原文学のベースには傷ついた人への優しい眼差しが必ずある。だから安心して読める。 「あなたもわたしも、138億年前の水素でできている」そんな言葉が母を失った娘と妻を失った男の世界を塗り替える『エイリアンの食堂』、本当に良かった。読めてよかったです。
  • 2025年6月30日
  • 2025年6月30日
    ブルーネス (文春文庫)
  • 2025年6月30日
    女の子の謎を解く
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