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ヒナタ
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@hinata625141
  • 2025年10月31日
    文藝 2025年 11月号
    十代のころ山田詠美に夢中だった。市の図書館で手に取った『放課後の音符』を開くと良い香りがした。前に読んだ人が香水をふったのだ。良くない行為であるけど、この本を手に取る人間同士ならわかりあえる、そんな特権的な喜びがあったように記憶してる。デビュー40周年おめでとうございます! 柚木麻子×王谷晶、対談が最高なのはもちろんお二人の写真が素敵すぎます!!カラーで見たかったー!
  • 2025年10月31日
    トラジェクトリー
    トラジェクトリー
    ばけばけ絡みで知った本(併録の「汽水」に小泉八雲の名前が出てくる)。表題作は芥川賞の候補になったそう。日本の大学で教鞭を取るアメリカ人の著者による日本語の小説。 二つの短編に共通するテーマはやはり「言語」で、英語/日本語だけでなく、それぞれの標準語/なまり、話し言葉/書き言葉にまで枝分かれし、言語というものがどれだけ深く個人の生活や記憶に根ざすのか、改めて考えさせられて面白かった
  • 2025年10月31日
    ハンチバック
    ハンチバック
    単行本は電書で買って読んだんですが、文庫化されたのでこちらは紙で購入。荒井裕樹さんとの往復書簡も掲載誌は持ってるんですが(だいぶんファンだな…笑)、さらに一往復追加されていてうれしい。 「妊娠と中絶がしてみたい」という切実さが、障害者と性(生殖とエロも含む)をこんなにも〈存在しない〉ことにしてしまっている社会の、そして〈健常者〉の欺瞞をボロボロと剥がしていく。切れ味も凄いんだけど笑いもあるところがいい。 往復書簡の中の「プロテストソングがあるならプロテストノベルもあってもいい」という市川さんの言葉が好きです。市川さんのプロテストノベル、これからも読み続けたいです。
  • 2025年10月31日
    女の子の背骨
    女の子の背骨
    併録の「オフィーリア23号」に撃ち抜かれた。 「女は存在しない」という言葉とともに死んだオフィーリアの絵を不特定多数に飛ばしたその指が存在することを選択した彼女たちの石像に触れるまで、あらゆる共感も連帯も同情もカテゴライズも要約も冷たく跳ね除けて最後に石像に触れた肌の体温だけがじんわりと残る。 市川沙央さんの小説、硬質でクールで噛みごたえがあって大好きです。何度も読んじゃう。 表題作も読んだけどまだうまく消化しきれてない感じ。また何度か読んで考えよう。
  • 2025年10月31日
    BL古典セレクション(3) 怪談 奇談
    BL古典セレクション(3) 怪談 奇談
    王谷晶✗ラフカディオ・ハーン。今年読まずしてどうする!?!?な一作です。しかも表紙は中村明日美子先生。最高です。 あとがきで王谷さんが書かれているように、もともとハーンの手法である「再話」(昔話や伝説を現代の感覚や言葉に合わせてリメイクした文学)がそもそも二次創作的であり、それをさらに王谷さんがBL的に再話するという、何次創作なのかわからないけどめちゃめちゃ面白い試みです。 もとの話を知ってるのは「雪女」と「耳なし芳一」だけでしたが、どの話にも幸と不幸が、生と死が、鮮やかに切り取られていて本当に美しい。 個人的には「雪と巳之吉(雪おんな)」「待ち人来たりて(和解)」「衝立(衝立の乙女)」あたりが好みなのですが、その中でも「待ち人〜」には主人公と愛人の男性カップルの他に、レズビアンカップルも出てきます。男色に比べると比較しようもないほどに長い間〝いなかった〟ことにされていた女性同士の関係性を、当事者である王谷さんの手によって昔話に書き加えられていくというのがとても素敵だな〜と思いました。
  • 2025年10月17日
    生きづらい明治社会
    感想はこちらに↓ https://sizu.me/hinata625141/posts/625v8ai610e6
  • 2025年10月16日
    ドラキュラ
    ドラキュラ
    そこそこ古い本だし800pもあるし読めるかな…?と不安に思いつつ手をつけたのだけど思いのほかするすると、あっという間に読めてしまった。やっぱり名著は面白いよ。そしてホラー小説の引きは強い。 個人的に面白いと思ったのは以下の三点。 ①ドラキュラものにおいて女性というのは基本的に吸血鬼の餌食となる被害者の役割のイメージだけど、本作のミーナは被害者でありつつも、吸血鬼を追い詰める(従来は男性キャラが担うことの多い)「探偵役」もしくは「頭脳」としてのキーパーソンであったこと。 ②ドラキュラを滅ぼすことについてミーナが仲間たちに、「憎しみゆえに滅ぼす」のではなく「彼に同情し、憐れみの心を忘れないで」ほしい、なぜなら自分だっていつか同じ立場に立つかもしれないのだから、と説き伏せるシーン。キリスト教的慈愛がベースにあるのかもしれないけど、それこそ女は感情的だヒステリックだと言われる時代において(今もだよ)、そのパーティにおける唯一の女性である彼女だけが感情に流されない役割を与えられていることに感銘を受けた。 ③〈イギリス人にとって存在するはずのない怪物が現れて自分達を脅かし、イギリスが否定するカトリックの知恵と信仰にすがることで、この怪物の撃退に成功する〉という解説を読み、生産的合理的を追求した新自由主義社会の失敗という岐路に立つ現代が重なって見えた。自分達の思い込みを捨て、今必要なものを改めて選び取らなければ、吸血鬼を滅ぼすことができないという学びがある。 わたしがこの本を読もうと思ったのはNHKの100分de名著の今月のテーマだったからだけど、決め手となったのは作者のブラム・ストーカーがクローゼットのゲイ(もしくはバイセクシャル)であったということを知ったからだ。同性愛が罪であった時代、実際この『ドラキュラ』執筆時に友人であるオスカー・ワイルドが同性愛の罪で起訴され収監された。性的指向を絶対に知られてはならないという自らの恐怖こそが、吸血鬼に噛まれながらも理性を最後まで手放さず、恐怖に抗い続けたミーナというヒロインを描く原動力になったのかもしれない。 小川公代さんによる100分de名著のテキストはこれから読むし録画も見る!楽しみ!
  • 2025年10月4日
    デスチェアの殺人 下
    デスチェアの殺人 下
    は〜おもしろかった。時間が溶けた。 今回の事件は過去イチってくらいエグいけど、カウンセリングを受けるポーがインタビュー形式で事件を振り返るという形式がとられているので、とりあえずポーは死なないことと、ひどすぎる現実を見たあとでこうしてケアを受けていることがわかるので、そのことだけを頼りに読み進めた。この形式がとられたことは著者から読者へのケアにも思える。それ以上は何も言えないけど…。 個人的に対カルトのミステリは大好物だし、どの国でも起きているバックラッシュ的な現実が描かれているのもよかった。 次も楽しみ!!
  • 2025年10月4日
    デスチェアの殺人 上 ワシントン・ポー (ハヤカワ・ミステリ文庫)
    いやーやっぱポーシリーズ面白い!!!!!と叫びながら下巻に突入
  • 2025年9月30日
    小泉セツとハーンの物語
    小泉セツとハーンの物語
    児童書の偉人伝はサクッと読めるので好き。ばけばけのモデルのお二人。ハーンさんが日本に来るまでの半生が波乱万丈すぎてびっくりした。時代を思えば本当に変わった人だったんだなぁ、でもそれがかっこいいなぁとしみじみ思った。朝ドラ楽しみです。
  • 2025年9月30日
    文章教室
    文章教室
    1983年に始まったあしかけ6年間の連載がその10年後の1999年に単行本になり、さらに26年後の今年、文庫になった。著者もすでに亡くなってる。この本を復刊したかった編集者さんがいるのかな。文庫化に至ったストーリーを知りたい。 でも実際に今読んでもすごく面白い。文章教室というより、連載時のタイトル『名文鑑賞』のほうがしっくりくるかな。 『雪国』の冒頭「夜の底が白くなった」という一文を引き、「これは説明ではない。表現である。」と、雪国育ちの自分がたどり着けなかった表現に悔しがる一番最初の文章がとても好き。この著者、八木義徳の文章も名文だと思う。
  • 2025年9月30日
    連続テレビ小説 ばけばけ Part1
    連続テレビ小説 ばけばけ Part1
    半年間よろしくお願いします!の期待を込めて事前購入。初日から夢中です。松江行ってみたい〜!
  • 2025年9月29日
    南洋標本館
    南洋標本館
    日本統治下の台湾で最高の教育を受ける陳と台湾生まれの日本人・琴司は気の置けない友人同士であり、ともに夢であった植物学者になれたのに、出自によって隔てられ、それぞれに太平洋戦争に巻き込まれていく。 それにしても陳の人生よ…!対日協力者である父親のおかげで台湾人としては贅沢な教育と生活を得る一方、2等国民としての天井があり、やがて「日本人」としてインドネシアに派遣され今度は現地の人々を搾取する側に立ってしまう…… 陳の人生の後半には、スカルノなど実在の政治家たちも出てくるインドネシアの独立運動にまで話が進んでいくところもめちゃめちゃ面白かった。 波乱万丈の陳に比べれば、何度も召集は受けたにせよ琴司の人生は凪のようではあるのだけど、それでも最後に陳を見送る時に彼が言った言葉があまりに誠実で本質を突いてて泣ける。そこにある友情は本物なのに、時代が二人を引き裂いていく。 反戦、反帝国主義のぶっとい背骨を感じる物語でした。こういう小説を読みたかった。
  • 2025年9月29日
    をとめよ素晴らしき人生を得よ
    書店で出会った本。わたしは「女人短歌」のことも知らなかったのだけど、「青鞜」があり「女人芸術」があり「ラ・メール」があり、どの業界も男性中心で女性というだけで軽く見られるなか、女性だけの場は必然だった。短歌界もそうだったんだなと知る。正当な評価を与えられなかった女性の文筆家やアーティストの歴史を掘り起こすのはいつだって応援したい。 それにしても短歌界、恋愛ドロドロ事件多いっすね……という印象も強い笑 恋愛そのものがアナーキーであった時代。 取り上げられているのは知らない作家さんばかりだったけど、瀬戸夏子さんの文章がほんとうに先輩たちへの愛情に満ちてて読んで良かったです!
  • 2025年9月29日
    イン・ザ・メガチャーチ
    推し活にハマって日常を逸脱していく人、推し活転じて陰謀論にハマっていく人、推し活を仕掛ける側でありながら一線を踏み越えていく人、ファンダム経済をめぐる三者三様の物語が交錯する。良い小説は社会の鏡でもあると思うのだけど、その中でも朝井さんはほんとうに社会の空気を小説という形に正確に落とし込むのがめちゃめちゃうまいなって思う。それに「推し活」って人によって程度の差はあれどエンタメを享受する人間なら誰しも無関係ではいられないわけで、今回のテーマはとくに他人事ではいられない引力がある。 朝井さんはインタビューで「おじさんがおじさんを救う物語があまりない」というお話をされてるけど、今作では若い男の子との会話でおじさんが救われるというエピソードがあってそれ自体はとても良かったのだけど、やっぱり年齢差があるとそこに危険性が忍び込む。おじさんがおじさんに救われるのがきっと一番平和。そんな物語が増えていくといいねって思いました。
  • 2025年8月31日
    物語の役割
    物語の役割
    〈言葉で一行で表現できてしまうならば、別に小説にする必要はない。ここが小説の背負っている難しい矛盾ですが、言葉に出来ないものを書いているのが小説ではないかと思うのです。一行で表現できないからこそ、人は百枚も二百枚も小説を書いてしまうのです。 ほんとうに悲しいときは言葉にできないくらい悲しいといいます。ですから、小説の中で「悲しい」と書いてしまうと、ほんとうの悲しみは描ききれない。言葉が壁になって、その先に心をはばたかせることができなくなるのです。それはほんとうに悲しいことなのです。人間が悲しいと思ったときに心の中がどうなっているのかということは、ほんとうは言葉では表現できないものです。けれども、それを物語という器を使って言葉で表現しようとして挑戦し続けているのが小説なのです。〉 ほんとうにそうだなぁと思いながら読んだ。今はもう手元にない『博士の愛した数式』を読み返したくなる。ポール・オースターの『ナショナル『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』も読んでみたい。
  • 2025年8月29日
    君が戦争を欲しないならば
    録画で『火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート』見た流れ読み返す 戦争協力をした詩人たちの話からこの国の空気に流れやすいメンタリティについて語る「戦争を欲しないならば、何をなすべきか」はほんと名文だと思う
  • 2025年8月28日
    ウンム・アーザルのキッチン(たくさんのふしぎ2024年6月号)
    書店で目に入って思わず購入。 イスラエルに住むアラブ人、その中でもさらに少数派であるキリスト教徒である老婦人ウンム・アーザルさんの人生。生まれ育った国で差別され、14歳で学校を辞め働き通し、その手で生み出す料理でたくさんの家族を育ててきた彼女の人生の豊かさを知ること。裏庭でスイカと白チーズを著者と一緒に食べながらおしゃべりしてる最後のシーンがとても好きです。 絵もすっごく素敵でした。
  • 2025年8月28日
    矢沢あい『NANA』の世界(42)
    矢沢あい『NANA』の世界(42)
    冒頭の辻村深月先生の、矢沢作品についての文章が本質を突いててよかった。矢沢先生のインタビューも読み応えあった!
  • 2025年8月28日
    ルポ コロナ禍の移民たち
    外国人労働者が雇用の調整弁としてまっさきに首を切られること、他国では進んでいた留学生の受け入れも日本ではぜんぜん進まなかったこと、すべての行政サービスの外に置かれる難民たち。本当にこの国は〈日本人ファースト〉で外国人は常に例外にされてしまう。 「日本は、国民になにもかも任せて、国がなにもしない。国に責任感が全然ないのかなと思いました」という留学生の言葉に、本当にそうだったなと当時を思い出す。他国のきびしいロックダウンが正しかったとも言いきれないけど、あとから検証することが一番大事なことだと思う。
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