ほんのささやかなこと

56件の記録
- Ayako@aya_rb2025年8月2日読み終わったまた読みたいさほど長くない素朴な物語の根底に、熱い血が静かに流れている。 ファーロングのほんのささやかな決断に、彼のまわりにいる人、とりわけ家族はどんな反応を示したんだろう。決して温かいものではなかっただろうと思う。 みな、自分の属するコミュニティとうまくやっていくための善良さを備えている人たちだと思うけれど、善良は必ずしもフェアな心やエンパシーとイコールではないし、残酷さとも平然と共存する。 これまでわたしが社会の中で見てきたものだと思うし、属してきてしまっているものでもある。 序盤で心をつかまれたウィルソン夫人、生きている彼女は出てこないのに、ずっと最後まで物語を支えている感じがした。 アイリーンが言うように、彼女も自分より弱い人々を意識せず搾取している側でもある。ただの高潔な人ではない描かれ方をしていて、だからつまり、高潔でなくともフェアであろうと努力し続けることはできるということ。
- エマ子@emma-05082025年5月26日読み終わった小さな傑作、と訳者の方が評しているけどまさに。 1985年のアイルランドを舞台に、クリスマス間近の数日間の出来事を描いた物語。 主人公ビルがささやかなことを愛しく思える人間だからこそ最後こういう決断ができたのだろうし、善き人間であろうとした彼の勇気がどうか報われてほしいと思う。
- tsukasakitajima@tsukasakitajima2025年4月27日本国では映画化されているらしいですが日本ではまだ上映前? 読んでいて素っ気ない位のシンプルな文体ですが、それぞれの場面がくっきりと頭の中にイメージできました。小説の映像化にはあまり興味ありませんが、この作品の舞台を日本に移して日本人監督による映画は観てみたい気がします。
- とんこ@ton_ton_beat2025年4月7日読み終わったやはり海外文学読むにあたってキリスト教は勉強しておきたいなと常々感じるが、でも結局それで育ってないから実際にはわかったことには当然ないのだろうな。同時に、だからこそ目を凝らし感覚を研ぎ澄まそうとも思える。ミンスパイが気になった。スパイスたっぷりケーキ。寒い時期にまた開きたいな
- まるみん@marumin2025年3月7日読み終わったこの物語の続きに思いを巡らせている。保守的で閉鎖的なコミュニティーの中で受け入れられたのか、疎外されたのか。主人公が培ってきたものが彼とその家族を助けてくれるのか。はたまた、そんなものは何の免罪符にもならないのか。
- りら@lilas_lilacs2025年3月6日読み終わった珠玉という言葉がふさわしい小説だった。良心、幸福、犠牲、不正、正義。人として何を選択しどう生きるべきかと静かに問いかけてくる。ぶれない自分を持つほど強くないけれど、せめて真摯に向き合う人間でありたい