脱兎 "プラハの墓地" 2026年5月2日

脱兎
脱兎
@lubudat
2026年5月2日
プラハの墓地
プラハの墓地
ウンベルト・エーコ,
橋本勝雄
私がスパイ物に無意識に求めていたものの全てが入っていた。裏切り、嘘、なんとも言えない憂鬱と、精力的な働き者の主人公、そしてモヤモヤとした自責……なんか知らんがそう言う物を読みたくて、陰謀物を読むのである。なぜか。 多くの歴史的事件の裏で糸を引いているのはナントカ政府ではなく、ケチな悪党である。戦争の前線からは逃げ出し、女をまともに抱いたこともなく(まあ軽蔑してるからなんですが)、他人を馬鹿に仕切っている嫌な小悪党である。あるショッキングな出来事で記憶が錯綜した(と言うことは多少なりとも良心はあるのか)この主人公・シモニーニが、日記で記憶の再構築をこの試みようとするーー 書物によって身の回りの世界だけでなくより広い世界を認識しようとしている多くの本読みにとって、本書のプロットは面白くもあり、少し怖くもある。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved