
橘海月
@amaretto319
2026年5月2日
女王様の電話番
渡辺優
読み終わった
退職し、風俗マッサージ店の電話番バイトをすることになった主人公志川。「ファムファタル」というお店のお気に入りは美織女王様だが、彼女は志川と夕食を約束した日に失踪してしまって…。主人公志川のとりとめのない今と過去、徐々に明かされるそれらに胸が苦しくなる。全文を通すとぶっ刺さってくる冒頭の一文にも。
「この世界はスーパーセックスワールドだ」
風俗店で電話番を行う志川が、何の気なしに呟いた言葉だとばかり思っていた。様々なお客様が利用するも、皆目的は一つなのだと自虐的に吐き捨てたものだと。でもそうではなかった。彼女にとってもっと切実で、もっと身近な感想で、もっと地獄を表すものだった。
風俗店のオーナーが主人公に何気なく尋ねる「大丈夫?」友人が志川に秘密を打ち明ける際にも言う「大丈夫だと思った」
何が常識で何が非常識か、何が地獄で何が天国か。マイノリティだと明かされた人が無邪気に言う「大丈夫」に、憤りすら感じる。違うそうじゃない、何もわかっていないと心底。



