
和月
@wanotsuki
2026年5月2日
幽民奇聞
恒川光太郎
読み終わった
すごい良かった!!ずっと気になっていた恒川光太郎さんの作品。読みやすくて面白くてもっとこの作家の作品を知りたくなった。
民俗学×謎解き×オカルト×歴史要素が絶妙な配分でミックスされていて、物語にしっかりと奥行きを感じさせる。
「キ」という謎の存在を追いかける過程は終始幻想的な雰囲気が漂うが、同時に史実に基づいて幕末から明治までの世相が描かれており、その精密な設定が作品をより面白くしている。
読後感も良く、最後の風景は目に浮かぶようだった。奇を衒う面白さというより、これが読みたかったんだよなぁと期待に応えてくれる王道な読み心地。
個人的には、本作原案の怪奇幻想要素を含んだ推理ゲームとかあったらやりたいな〜!と思った。攻略していくと「キ」になる条件や作中人物の裏エピソードが分かり実績解除されていくとか、めっちゃ面白そう。
人間の惨さや醜さを描くと共に、その悪を断じる存在を描く。そして文明開化の中で血に塗れた歴史が過去になると同時に、対抗する存在もまた幽かなものへと変容していく。この諸行無常・盛者必衰の理を、希望ある形で作品に宿している所がとても良かった。

