ik
@ikms
2026年5月3日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
本日午前中に購入して半日ほどで読了。
「推し活ブームは日本の若い世代の時間、労力、貯蓄、思考力を全部溶かして吸い上げようというキャンペーン」という一節は、一理あると思ってしまった。
推し活の負の側面は金を溶かすことだと考えられがちだが、XなどのSNSのファン交流やら布教やら「お気持ち表明」やらに時間を溶かすこともなかなか恐ろしい。
と、私自身の趣味の界隈でも、周囲の話を聞いていても、実感することが多い。
誰かを推すにはある程度の所得という原資が必要で、時間を推しやSNSばかりに費やしていたらキャリアアップや勉強など自己実現に投資する時間が奪われてしまう。そうすると原資は増えるどころか減ってしまう。推しを頑張るモチベーションにします!くらいでとどめておきたい。
加えて、安定した現実の人間関係をあらゆる方面でバランスよく築いていることも大切で、それがなければ特定の相手への依存度を高めてしまう。それが推しだったりすると自分でコントロールできない要素しかなく、厄介でしかない。
さらにいえば、推しにまつわるあれこれを供給するビジネスサイドにも負う責任、KPIがある。自分も働いて数字を追う仕事をしていれば、推しがもたらす供給は必ずしも真人間が担っているわけではなく、あくまでビジネスとしての顔でやってくるのだとわかる。
そういう視野を持っておくと、推し活と適度な距離で付き合えますよね、という教訓に満ちた作品でもあります。
それでも推しは推せる時に推せ、という真実も揺らがないとも思うのでした。


