
トラ
@Toreads1234
2026年5月4日
一次元の挿し木
松下龍之介
クローン、挿し木、ループクンド湖、新興宗教。様々な要素がうまく絡みあって幻想的とも言えるクライマックスへ。語り部、時制が章ごとに変わるのはとても好みの書き方。武器としての遺伝子学は強いな。
牛尾がとにかく強烈。
ただ、サスペンスとして必要なんだろうけど「バレるだろうなっていう状況での、秘密の場所への侵入」がとても苦手なので、あのシーンは辛かった。少し捻られてるけど冷めてしまう。あとイケメンの力で乗り越えすぎかもしれない。
以下ネタバレ
謎の義妹・紫陽の存在感が大きいし、その不在が原動力にもなる。ラストで2人が紫陽から卒業(解放)できてしまうのが、急すぎるしあまり納得できなかった。紫陽との過去は、少し美化され都合が良すぎる気もする。
途中の精神の乱れを疑われ「誰が正しい?」となる部分、凄くハラハラするし、流れの作り方がすごくいい。
樹木の会の設定が中途半端で、もう少し権力とか情報を持っててもいい気がする。それかもう少し力が弱いか。
気になる所がないわけではないけど、遺伝子ものとしてとても面白いし、読みやすい。あっという間に終わってしまって、面白さが残った。
