
すべての本読み読み委員会
@nadare
2026年5月2日
ギアをあげて、風を鳴らして
平石さなぎ
読み終わった
宗教団体の子として生まれた癒知と、転勤族のクミ。友情のあたたかさを感じるための作品ではないが、確かな思いが宿る物語。粗食と玄米以外を許されない癒知が、いちごのショートケーキを口にした際、おいしいではなく「味が濃い」と眉をしかめるシーンや、クミに宗教団体の飲料水を物置きに運ばせるシーンなどは、まるでノンフィクションのようだった。環境の呪縛からは、ギアを何段階あげても逃れられない。切ない。

