
bluebird
@Reads_0229
2026年5月4日

太陽の塔
森見登美彦
読み終わった
「敢えてこの手記を読む人は、貴重な経験をすることになるだろう。もちろん愉快な経験とは言えまい。良薬とはつねに苦いものである。ただし、苦いからと言って良薬であるという保証はどこにもない。毒薬もまた苦いのだ。」(p.9)
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失恋手記というと、苦い毒薬なのかもしれない。でも、この薬は面白くて、切なくて、あったかいものだった。…と書くと、ありきたりすぎる表現で、この気持ちをうまく書き表せないことにもやもやとする。もっと語彙力が欲しい。
特に、彼女と最後の話し合いをする前に、彼女についていろいろと思い出す場面(p.226-227)。ここを読んでいると、ちょっとうるっときてしまう。そして、何度も読んでしまう。じーん。
主人公は、彼女の心につながる叡山電車に乗って失恋の地へと旅したけど、この『太陽の塔』という小説もまた主人公の心につながる叡山電車だったのかもしれない。
主人公は、叡山電車を降りる。
私は、この本をそっと閉じる。