yomitaos "アレグリアとは仕事はできない" 2026年5月4日

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@chsy7188
2026年5月4日
アレグリアとは仕事はできない
お仕事小説ってずっと需要があるジャンルだと思うが、労働者視点を貫きつつ、安易な役割設定でキャラ物化させていない小説って、じつはあんまりない。津村記久子作品は、デビューからずっとその路線を貫いていると感じる。そこが好きで、仕事でうまくいかないときや、働き方に悩んだときのために、いつもそばに置いておきたくなる。 会社勤めをしている人で、複合機にイラついたことのない人はいないはず。自分が使うときは面倒くさそうに動くクセに、たまにしか使わないエライ人の前では従順。忙しいときに限ってサボりはじて、カスタマーサービスを呼ぶと元気に動き始める。 「何なんだよお前!」とキレそうになるが、そんな姿を見た同僚は「機械相手に何を本気になってるんだ」と蔑んだ目で見てくる。この分かってもらえない断絶は、仕事を辞める理由に相応しいレベル。 この物語では、複合機ことアレグリアはずっと不遇だ。きちんと修理されることもなく、延命処置を施された上でなし崩しに生きさせられる。それはきっとアレグリアにとっても本意ではない。この機械があることで、本質的には誰も幸せになっていない。 働いているとそんなことばかりだ。この視点は、経営者目線の小説では得られない。ビジネス書からも得られないだろう。社会でもっとも数の多い「労働者」が本当に読まないといけないのは、津村作品なのではないかと思う。
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