

yomitaos
@chsy7188
居場所を増やすために始めてみました。居心地のよい場所にしたいですね。
- 2025年11月25日
いけない道尾秀介読み始めた@ 自宅「驚愕のトリック」「驚きのどんでん返し」ありきで書かれるミステリーって、本来の物語が無理筋になっている可能性が高い。登場人物の行動原理に納得感がなく、大抵は警察組織があまりに無能なことで成り立つ犯罪行為なので、その驚愕の結末にたどり着くまでに白けてしまう。本作もそういった1作だった。 - 2025年11月24日
- 2025年11月24日
変な地図雨穴読み終わった@ 自宅定めた結末にたどり着かせるため、すべての登場人物が都合よく動き、「名推理」を引き立たせるためだけに存在している愚鈍な人形たちと栗原氏がリアリティのない三流芝居並みの薄っぺらい会話をするだけの、とても空虚な小説だった。 いや、描写がほとんどなく会話劇だけで進むこれは、小説じゃなくて台本か。 特にあかりという女性警察官の描き方は本当に酷いので、ぜひ注目して読んでほしい。題材として女性解放がキーワードになっているはずなのに、あかりは「可愛らしい振る舞い」だけを割り振られている、無価値で無意味な女性キャラクターでしかない。 ストーリーに味方側の警察が必要だからねじ込まれ、かつ女性にしておいた方が都合がいいとでも考えて放り込まれたようだ。 雨穴氏の動画は、その語り口や編集、ビジュアルで魅せるテクニックが優れているので大いに楽しんでいたが、こと小説には期待できない。今年一番がっかりした読書体験となってしまった。本当に残念。 - 2025年11月21日
- 2025年11月20日
- 2025年11月17日
言語化するための小説思考小川哲読み終わった@ 電車言語化ヤクザの人と話をすると楽しいのだけれど、閾値を超えるとストレスになる。それは限られた時間での言語化のため、ほんらいそうは思ってないことでも言い切るスタイルを取るためだ。それって三流言語化ヤクザで、おもにITベンチャー企業によく生息している。 作家の小川哲さんは立派な小説言語化ヤクザだが、わからないことはわからないと言う。それこそ、今でも小説の正解がわかってないそう。この本は、そのわからなさを書きながら解きほぐしていく手法で執筆されている。我々読者は、小川さんと一緒にしてああでもないこうでもないと悩み考えながら読み進めることになる、少しめずらしい本だ。ジャンルは違うが、橋本治の本を読んでいる気分になる。 薄い本だが、小説づくりのエッセンスがぎゅっと詰まっていて、思いの外読み終えるのに時間がかかる。おすすめしたいエピソードは山ほどあるが、ここでは特に気に入ったものをひとつ。 自分なりの小説を見つけるために捨てるもの、それは「自分の価値観」。例えば自分が恋愛リアリティーショーが嫌いだとする。また考察系ユーチューバーへの懸念があるとする。しかしどちらも人気がある。 それはなぜか?共通するのは一次作品があって、それを講評する2次作品があるという構造だ。なぜ構造に需要があるのかというと、「多くの人は、誰かに解答を導いてほしいのでは」という仮説が立つ。ここに次なる【小説】のタネがあるのではないか--。 自分のありふれた価値観からは出てこないところから、小説のタネが出てくる。これは自分にとって目にウロコだった。 小説に限らず、ものを書く仕事をしている方なら、必ず得られるものがあるはず。 - 2025年11月14日
火喰鳥を、喰う原浩読み終わった@ 自宅横溝正史ミステリー&ホラー大賞を久しぶりに取った作品で、映画化も話題となった本作。読後の感想としては、「なぜこんな怖くも無く、ミステリー要素も弱い物語が大賞に…?」と戸惑いを隠せない。 ジャンルとしてはSFで、感覚は「リング」に近い。ただ、リングが非現実的な素材をリアルに見せる筆力の高さで読者を納得させたのに対し、本作はファンタジー要素が強くなりすぎて「自分には関係ない世界の話だな」と鼻じらむ上に、出てくるキャラクターの描写が薄く魅力を感じないこともあり、後半は惰性で読んでしまった感が否めない。 最初から「これはファンタジー小説だ」と思って読んでいれば感想は変わったかもしれないが、日本ファンタジーノベル大賞を取れるかといえば、まったくその域にはたどり着けていない。 かなり残念な読書体験となってしまった。(北斗総一郎という探偵役のキャラが人気だそうだが、なぜこの描写の薄さで人気が出るのだろう…) - 2025年11月13日
営繕かるかや怪異譚 その参小野不由美読み終わった@ カフェ3巻は、これまでよりも怪異との共存が深くなっているように感じた。ホラーとしての怖さは控えめで、この家でより良く生きていくため、前向きに行動していく各主人公たちがとても微笑ましい。 骸の浜と茨姫は特に感に入るところが大きく、出がけのカフェで涙してしまった。決断を下した人たちを素直に応援したくなる。 - 2025年11月12日
- 2025年11月12日
営繕かるかや怪異譚 その弐(2)小野不由美読み終わった@ 自宅前作にも増して、怪異との共存に憧れすら抱ける傑作だった。とくに最後の「まさくに」はあまりに美しく、「怖いけどいなくならないでほしい」という主人公の相反する気持ちが素直に理解できる。 冒頭の「芙蓉忌」はこのシリーズとして珍しい、怪異側に飲み込まれるような物語だが、飲み込まれた方が幸せなのかもしれないという軽い諦念すら湧く、美しい幻想譚。 エンタメホラーに食傷気味のあなたに、ぜひ読んでもらいたい。 - 2025年11月11日
営繕かるかや怪異譚小野不由美読み終わった@ 自宅昨今のホラーブームで数多の作品が世に出ているが、どれも読み口が軽いのが気にかかる。「エンタメとしてのホラー」は、怪異が簡単に姿を現しすぎる。 そんな中で読んだこちらは、ちょっと次元が違う。小野不由美の文章力もあって引き込まれるのはもちろん、たやすく怪異を出さないのに本当に怖い。 怪異をモンスターとして描くと、どうしても退治しないといけなくなる。倒して平和を取り戻したらめでたしめでたしなわけだが、この小説にはそんなカタルシスはない。帳尻を合わせ、折り合いをつけて、怪異があるままになんとかやりくりする物語だ。 これには、怪異を仮想敵として扱わない作者の労りが見受けられる。宮部みゆきが解説でも述べている通り、怪異を不仲や揉め事という言葉に置き換えると理解しやすい。世の中の出来事はなんでもあれ、簡単に退治できるものではない。大抵のことは折り合いをつけてやりくりしていくしかない。 ホラーであるのに、その丁寧な仕事ぶりに涙がこぼれる。怪異は怖い、でも退治するようなものではない。そんな新しい視点を与えてくれる傑作だ。 - 2025年11月10日
読み終わった@ 電車帰納によるホラーとして傑作だと思う。全然関係がなさそうな各種事件・事象が、集約されてひとつの答えらしきもの辿り着くミステリー要素がかなり強く、モンスターを見たい人にとっては肩透かしになるかもしれない。 その流れでもうひとつ優れた表現として、「幽霊がいる=人が死んでいる」ということの意味を考えさせてくれる点がある。 化け物をエンタメとして表現するどうしてもおもちゃ扱いになってしまうが、もとはと言えばまっとうと言えない死に方をした人がいたから、そういった事象が起こっているはず。 いわゆる「普通」を外れた人を容易くバッシングしてしまう、我々への警句とも受け取れる。ホラーミステリーでありながら、マジョリティにきちんと足払いをかましてくる、エンタメの皮を被った社会派小説なのかもしれない。 - 2025年11月8日
残穢小野不由美読み終わった@ 自宅「リング」の感染性と共鳴しつつ、未来的SFではなく過去にひたすら原因を求めて遡っていく話を読みたくなり、久しぶりに手に取った。明るい昼間に読んでよかった。怖い。すぐ後ろで畳を掃くような音が聞こえる気がしてくる。 ホラーを楽しんでいて、その時代における主流ガジェットへの依存の大きさに気づくことがある。リングがまさにそうで、ビデオテープだからこそ起こりそうなリアリティがある。これはスマホ時代の現代から見ると、「ああ、これはあの当時だったから怖かったんだ」と感じさせてしまうことにもつながる。(ついこないだ読んだ時も、しっかり怖かったけれど) 残穢はそれがない。おそらく100年後に読んでも怖い。死の穢れという、ある種私たちが普遍的に持っている恐れを払拭できない限り、いつまでもこの小説は恐怖の根源として存在し続けると思う。 手元に置いておきたくないけど、手放すと感染していきそうだから、本棚の奥にしまっておこうと思う。 - 2025年11月7日
仄暗い水の底から鈴木光司読み終わった@ 自宅「化け物が理不尽に人を襲う」系のホラーはつまらないと感じてしまう自分にとって、鈴木光司の作品は心の底から恐怖を感じる。これはひとえに筆力の高さによるものだろう。 本作で描かれる舞台は都会で、異変が起こるすぐ近くでは人々が普通に生活をしている。因習村や祠破壊など、お決まりのパターンに頼らずとも人を震え上がらせることは可能なのだ。 澤村伊智と鈴木光司の新作が出続ける限り、ジャパンホラーの面白さは失われないだろうと信じられる。 - 2025年11月7日
バースデイ鈴木光司読み終わった@ 自宅らせん、ループにおけるサイドストーリーが展開される短編集。ループの結末以降が気になっている人にとって、「ハッピーバースデイ」はきっと救いになる。 逆に、「レモンハート」は好きになれなかった。ホラーとしてのおもしろさは抜群だが、個人的に貞子を悪意の権化としてキャラクタリングされるのは嫌だ。これではまたメディアやエンタメのおもちゃになってしまう。 私は貞子に、神的存在でいてほしい。人類は罰せられ、早期に滅びていくことが決まっているが、善的行動によりそれを引き延ばすこともできる。その配剤を行っているような、高次の存在としていてほしい。 - 2025年11月6日
ループ鈴木光司読み終わった@ 自宅ジャパンホラーカルチャーの旗手とも言える「リング」再読を機に、シリーズ全てを読むことに。あらためて分かったのは、これはホラーではなく、ハードSFであり極限まで煮詰めた純愛物語だったということ。らせんからその片鱗は垣間見えていたが、ループはそれを、確実なものとしている。 それにしても、この本が出版されたのは2000年。今から25年も前に、このループという仮想世界を生み出しているのは驚愕に値する。急激に進む技術革新を知っている私たちは、ともすれば「このループ世界は実現可能なのでは?」「新型コロナも、ループがあれば根絶可能なのでは?」とリアルに想像できてしまう。 つまり、この現実世界に起こることを予言していた物語としても読めてしまうことに、あらためて気づいた。 貞子だけがフィーチャーされて、いまだにおもちゃのように扱われている様をみるとげんなりするが、逆に言えばリングは2025年の今も話題性を持っているということ。ホラーとしてのリングではなく、未来予想図としてのらせん、ループに再度光があたれば、また別のブームが起こるかもしれない。 - 2025年11月5日
ばくうどの悪夢(8)澤村伊智読み終わった@ 自宅著者・澤村伊智の批評精神が大いに発揮されている作品。氾濫する因習村ホラーと一線を画し、田舎への偏見をこれでもかというくらい切り裂いてくれる。 元々、偏った業界知識で一流を気取るミソジニーおじさんをコテンパンにするエピソードが多く見られる著者作品の中でも、特に際立っていると感じた。 構成に触れるだけでネタバレになってしまうので感想を書くのが難しい。現実がつらいほど、明るい夢の世界に逃げ込みたくなるのが人間というものだと思うが、その夢の本質をこういった構成で見せるのは、見事としか言えない。間違いなく、著者作品のベストオブベスト・ホラーだと思う。 - 2025年11月4日
サイレントヒルfコナミデジタルエンタテインメント,黒史郎読み終わった@ 自宅実況界隈でも話題となっているゲーム「サイレントヒルf」のノベライズ。ゲーム内でのテキストがまま使われている箇所も多く、シナリオブックのような感覚。ゲームを3周目までやった人なら、特に新しい発見はないと思われる。逆にゲームをやってない人は読んでも理解できないのではないか。それくらいゲームのビジュアルに依存している。 ちなみに元のゲームは、日本のゲーム史上でも類を見ないエポックメイキングな作品だ。それは「女性解放」をテーマに置いているという点で。 つい最近、極右国家の仲間入りを果たしたこの日本において、また家父長制が蔓延り、男性ユーザーが多数を占めるコンソールゲーム界において、おおよそ受け入れられるとは思えないテーマ設定にまず驚く。しかもそれが生半可な表現ではない。血飛沫が飛び交い、痛みも大いに伴う。 このノベライズで支持層を大きく増やすことは叶わないだろうが、元のゲームをやってみようかなと思える人が1人でも増えるなら、出版した意義がある。個人的には、全人類に遊んでほしい価値あるゲームなので。 - 2025年11月4日
らせん -鈴木光司読み終わった@ 自宅 - 2025年11月3日
リング鈴木光司読み終わった@ 自宅
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