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yomitaos
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@chsy7188
居場所を増やすために始めてみました。居心地のよい場所にしたいですね。
  • 2025年7月9日
    近親性交
    近親性交
    日本で起こっている殺人事件の、およそ半数は家族間で起こっている。家族という密室では何が起こってもおかしくない。この本では、その末路で起こるエピソードがいくつもまとめられている。 家父長制は、唾棄すべき愚劣なシステムだと思っている。もうとっくに滅びたことにされているが、世間体と寝て生きる日本人のマインドセットからはなかなか削除されない。いまだにこのシステムを復活させようとする人間がいることに驚くし、なんならそんな連中がながながと国政を担っていると思うと、この国を恥じる気持ちしか出てこない。 家族を聖域にすればするほど、こうした事案は増えると思う。増えたとしても、著者のように明るみに出そうとする人はなかなかいないだろうから、その闇深さに気づく人も少ないまま。 もういい加減、家族を最小単位にする仕組みをなくそう。
  • 2025年6月13日
    禁忌の子
    禁忌の子
    不妊治療を巡っては、倫理的な観点からたびたび議論が巻き起こる。そういった状況を部外者の視点で見ていてよく思うことに、「なんか、どうしても子どもが欲しい親側のニーズ中心だな」という冷めた感覚がある。 産むことを求められる家父長制・家制度の呪縛の残滓みたいなものもあれば、夫婦共同の想いとしてどうしても子供を授かりたいという状況もあるだろうし、一概には言えないことは重々わかりつつも、「生まれてくる子供の人権」については蔑ろにされていると感じる。 この本で明に暗に語られるのは、そんな子供側の人権問題。警察ではなく医師が探偵役を務めるフィクションならではの結末にも、強い納得感があった。これはネットフリックスあたりで映画化されそうな気がする。(民放じゃ無理だろう)
  • 2025年6月10日
    武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別
    人権侵害先進国・日本。 なぜか民主制が根付いた進歩的な国と思われがちなこの国が、どれだけ国連からの勧告を無視し続けている非民主国家なのか、この本でイヤになるほど分からされる。 日本人は人権を、たんなる「思いやり」とか「優しさ」程度にしか思っていないのではとの記載がある。これは本当にそうだという実感がある。 思いやりも優しさも、前提として強者が弱者におこなうことだ。弱者が可哀想な存在である限りは優しく思いやるが、権利を主張し始めると煙たがったり、その対象ではないと切り捨てたりもできる。 日本人は思いやりがあるとか、優しいと評されるのを間に受けてはいけない。あなたって身内贔屓ですよねと言われていると思った方がいいくらいだ。 道徳とかいう気持ち悪い教科で悪しき日本人像を学ばせるのではなく、この本を必須にして国際人権意識を早く身につけさせたほうがよいと心底思う。
  • 2025年6月10日
    若者殺しの時代
    若者殺しの時代
    考えてみると、なぜ稼ぐ手段が限られている若者からお金を巻き上げるビジネスが当たり前になっているんだろう。そんな疑問から手に取ったのがこの本だ。 著者によると、転機となったのはクリスマスが家族から恋人のものに変わった1983年らしい。それまではお金のない人間として放っておかれた若者がマーケティングの対象としてカテゴライズされ、メディアが揃いも揃って「若者はこうするべきだ」という情報を流し、投じた資本を回収するためのビジネスが始まったそうだ。 自分はそんな若者が搾取対象化した後に生まれたのだが、雑誌を見てほしいものが見つかっても、それを買うための手段が限定され過ぎていて、どこか違和感を抱いていた。それを言語化してもらえて非常にすっきりしたとともに、この国は何てさもしいのだろうと悲しくなった。
  • 2025年6月9日
    黒い海 船は突然、深海へ消えた
    隠蔽国家であり、結局のところアメリカの属国でしかない日本という国の官僚や政治家は、なんだか鵺のような存在だなと思う。 たしかにその職に就いてる人らしき者はいるのだが、実態が見えない。まるで実体を明らかにしたら雲散霧消してしまうかのようだ。 そんな鵺たちが、結論ありきでかたちだけキレイにまとめた漁船沈没事故の顛末。間違いを認めたら死ぬ病に罹っている彼ららしい、徹底した責任回避ぶりにため息が出る。 それにしても私たちは、海や船について知らなすぎるのではと考えさせられる。4章冒頭で著者も言っているように、漁船にまつわる事故や事件をメディアはきちんと報道していないのではないか(センセーショナルな初報は下衆なレベルで行うが、続報がないという意味で)。 もともと報道の類いは基本信じない体で受け取るようにしているが、そもそも報道されないものに信じるも信じないもない。著者がそんな事故…いや事件の事実を、根気強く追い続けていった、その執念に感服した。教えてくれてありがとうと伝えたい。
  • 2025年6月9日
    普通の底
    普通の底
    凶悪犯罪が起こると、犯人がいかに人外的な思想を持つ悪人であるかが強調され、我々「普通の人」とは別の世界に住む異界の生物であることが語られる。 それは「普通の人」である我々は、けっしてそうはならないから安心だよね、というメッセージングでもある。分断してしまうことで、逆に安心してしまう、そんなエンタメをメディアは提供してくれる。 凶悪犯だからそこには明確な悪意や思想・怨恨があるだろう。そんな物語を、我々「普通の人」は求めてしまう。なぜなら、我々にはそんな物語がないのだから、凶悪犯にはなり得ないと思えるから。 この本で語られる川辺優人という人物の物語は、有り体に言って普通である。2025年という時代から見ると、どちらかと言えば恵まれた人生を送っている。たしかに主体性がなく、選ぶべきでない選択をなし崩しに選んでしまっている面はあるが、それほど珍しいというわけでもない、この希望のない時代に合った人間だと思う。 彼自身が独白しているとおり、その言葉はとても薄っぺらい。恨みも厭世観も、怒りも哀しみも、すべてが薄っぺらい。しかし、意図せず罪を犯してしまう人間は、大抵こんな薄っぺらい理由で道を踏み外してしまうのではないか。きっと自分が罪を犯してしまうときも、こんな薄っぺらい理由なんだろう。読後しばらく、暗澹たる気持ちになった。
  • 2025年6月5日
    ファンたちの市民社会
    ファンダムについて学びたく読み始めた本。 自分はいわゆる異世界転生モノが嫌いなのだが、なぜ嫌いなのかを言語化できていなかった。この本で著者が「入植植民地主義」に例えて解説されていて、これが実にしっくりきた。なるほど、植民地主義を嫌悪しているからこその忌避感だったのか。 また同様に、観光文化というものが原理的に搾取が埋め込まれていることから、コンテンツツーリズムにも懐疑的だったのだが、それについても腑に落ちる内容だった。 この本の良いところは、原理問題ではなく程度問題で提案されている点。資本主義と分かち難く結びついているファンダムには「悪さ」が含まれており、そのことに自覚的になりつつ推しを愛でる心構えが必要だ。権力側の都合のいいファンとして飼い慣らされないように楽しむ、そんな成熟した生き方を教えてくれる良本だと思う。
  • 2025年5月25日
    「学び」がわからなくなったときに読む本
    ビジネスの現場で1日に何度も耳にする「成長」「学び」という言葉が嫌いで、学ぶことの原点に立ち返ろうと思って読んだ1冊。役に立つこととか、仕事にすぐ活かせることだけが「学び」とされていて、本当に世の中は居心地が悪い。 全編を通してインスタントな学びに懐疑的であり、我々大人がそういった薄っぺらい学び方を良しとしているから、子供たちへの教育も薄っぺらくなっていることがよく分かる。 それを自家薬籠中の物にしてしまった子供は、勉強をタイパ・コスパでしか見なくなるのは当然。当の大人たちがそうなっているのだから。 この本の結論として挙げられているわけではないが、いい大人になった我々に必要なのは「成熟するための勉強」だと思う。 たぶん死ぬ間際になっても「ああ、結局成熟することは無かったなぁ…」と思い残すことがたくさんあるだろうけれど、そのための勉強は惜しまなかったことを誇れるように生きたい。
  • 2025年5月21日
    東大生はなぜコンサルを目指すのか
    何かにつけて「成長したい」と口にする人が多い業界で長く働いているけれど、成長してどうなりたいのかを言える人って、ひとりもいなかった。 なんでそんなに成長したいんだろう? あなたの成長って、要するにどういう意味なんですか? そんな成長教信者にウンザリしていたが、それが何故なのかはっきりしなくて読んだのがこの本だった。 成長を駆り立ててくる政治や空気が後押ししているのは間違いなく、多くの人はそれに感化されて他者の夢を自分の夢と混同してしまっているのだと思う。成長するにしても、その中身は自分で決めればいい。コンサルに入ることでも、高給を得ることでもない。(心からそう思えるなら、それはそれでいいのだけれど)
  • 2025年5月19日
    東大ファッション論集中講義
    なぜメンズ服は画一的でつまらないのかが気になって、手に取った一冊。目から鱗のエピソードが頻出し、一気読みしてしまった。 旧来の貴族的価値観では、公の場で働く男は実用的な黒のスーツを纏うことが求められ、うちなる家庭を守る女は美しく着飾る自身の外見を通して夫の経済力や社会的地位を表す役割を担わされた。それが2025年の今も崩されることなく踏襲されてしまっているという。 帯分に書かれた、ファッションを問うことは我々自身の、現代社会の根幹を揺るがす問題を孕んでいるから、「浅いもの」として見過ごそうとしているという提起に納得した。
  • 2025年5月12日
    ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス
    今年読んだノンフィクションで、もっとも興奮したのが「対馬の海に沈む」だったんだけど、それと同じくらいの体温上がったのがこの本。 権力は必ず腐敗するというのが政治の世界だけじゃないことが分かるし、案外矢面に立つ巨悪は純粋な正義感から闘っていて、一番の害悪はその周辺で甘い蜜を吸ってる奴らなのではと思わされる。 この「奴ら」に、私たちも成り下がる恐れは十分にある。そんな恐ろしい気持ちになった。 それにしても。手島さんをはじめとする闘うマンション区分所有者たちのような熱量を、自分は抱けるだろうか…。
  • 2025年5月11日
    いのちの車窓から 2
    結婚したり子供ができた人は、それをただ肯定するマシーンになる。なんか尖ってた人だったのに、結局はマジョリティの当たり前とされてることをただ繰り返すだけなんだ、とか残念に思ったりする。 星野源は、昔からずっとそれが無い人だなと感じる。売れてなかった20代の下積み時代から、アリーナツアーのチケットが取れないミュージシャン&オファーの絶えない俳優となった今も、それは変わらない。 このエッセイに収められている「今を生きる」や「喜劇」あたりに色濃く現れる生々しい思考は、失うものが多くなった著名人がなかなか口に出せないことだと思う。だから信用できる。
  • 2025年5月11日
    教誨師
    教誨師
    とあるアイドルのイベント開始待ち時間に、近くの本屋で見つけた本。いや、多幸感に溢れたイベントのときに読むような本じゃない。 教誨師って、名前は知ってるけどカウンセラーみたいなものでしょという程度の知識しかなかった。しかも死刑囚相手の教誨って、何の意味があるの? そんな気持ちがあって、単純な興味から手に取ったわけだけど、知らないことって罪だなと頭をぶん殴られたくらいの衝撃があった。日本は死刑制度の残る野蛮な自称先進国だけど、その国の制度に則って、誰かがやらなきゃならない仕事をしているのが教誨師と知る。 残酷な事件が報道される度、脊髄反射で「こんな凶悪犯、すぐに死刑にしろ!」と騒ぎ立てる人にこそ読んでほしい。
  • 2025年5月3日
    「普通がいい」という病
  • 1900年1月1日
    転売ヤー 闇の経済学
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