阿久津隆 "響きと怒り" 2026年4月25日

阿久津隆
阿久津隆
@akttkc
2026年4月25日
響きと怒り
響きと怒り
ウィリアム・フォークナー
本を開くと p.312 父はこう考えるのはむずかしいことだが愛とか悲しみとかいうものはなんの計画もなしに購入された一つの債権のようなものでそれは否応なしに満期になってなんの予告もなしに償還されその時たまたま神様が発行しているものと行き当たりばったりに取り替えられるだけなのさいやお前は彼女でさえもたぶん絶望に値しないだろうということを信じるようになるまではそう考えないだろうよといいぼくはいいえぼくは決してそうは考えないでしょうぼくの知っていることはだれにもわかりゃあしないのですといいすると父はお前はすぐにケンブリッジへ出かける方がいいと思うお前は と息継ぎなしに話し続ける異様なページになっていて、僕も息を止めながら読んで、めくると、めくると、右ページの左側に余白があって章が終わるようで、であれば、それはつまり、クェンティンの? と緊張しながら読むと、明かりの消えた暗い部屋で、窓の外の弱い光ですっかりシルエットだけになったクェンティンの姿が見えるようで、彼は荷物をまとめると部屋から出て行った。出て行った、と僕は思って、死ななかった、と僕は思って、次の扉には1928年の4月6日とあって、最初の章は7日だからその前日で、そして語りは「おれ」で、ジェイソンだろうと見当がついた。そこにはまた別のクェンティンがいて、彼女は反抗期の模様。
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