
Cの字
@cnoji
2026年5月5日
昼の家、夜の家
オルガ・トカルチュク,
小椋彩
読み終わった
空を流れる雲をずっと見ているような、断章しかない短編集で、ポーランドの辺境町を舞台に、町、家、人、キノコがすべて均等に語られる。
すべてを超然として生きる謎の女マルタと主人公との関わりで、人間の生活の退屈さが植物のような自然なものとして語り直される。
一方で、女になりたかった修道士の話、倦怠期DINKS夫婦の話、チェンソーマンみたいに電動ノコギリをふるいたくて仕方ない男の話など、無為自然ならざる強い思いをもった人々の活写がなされ、それらもすべて、どこかで生活の場としての家との関係性が時々に描かれる。わかり得ないものが多く占める世界を、ひたすら率直に描くことがどういうことか、この本を読んで少しわかった気がした。