ありたろう
@reads-arihiro
2026年5月6日
読み終わった
現代より信仰の占める地位が遥かに高く、しかしその理論を体系だって伝える手段は遥かに乏しかった時代において「メディア」として聖遺物、芸術がどのような役割を果たしたか、その「リアルな感覚」をさざなみのように伝えてくる著作。
しまいには終章でデューラーの自画像と遺髪を組み合わせてどうだ、と言われた時にはもうほんとそこまでしてもらわないと分からないバカですみません、、という気持ちにすらなる。
それはさておき、サントリー学芸賞を取った著作をこれまで何度か読んできたが、古今東西、我々が日本社会で現に体験している「いま、ここ」ではないどこかに在る「リアルな感覚」を「いま、ここ」にいる我々の眼前に運んできて、顕現させる熱と説得力を帯びた著作が多い。
一般には知られていないが、自分が確かに存在を確信している「リアルな感覚」はこのように確かにあるんだよな、という感覚は何かを深堀れば間違いなく覚えるものであり、その意味で物を書くというのは信仰告白であり、典礼であり、布教であるのかもしれない。いつか自分もそのような物が書きたい。