
積読山脈
@book_mountain
2026年5月5日
本売る日々
青山文平
読んでる
本売る日々まで。
物之本売りの松月平助と上得意の名主との話がじんわり響く物語。
名主が金に物を言わせ、妓楼から掬いあげた歳の離れた少女の思うままにあれこれ用意する。その爛漫さが彼女を彼女たらしめている気がしていたから。だから彼女の気に入った、既に買い手がついている画譜を高値で買おうとした。
しかし平助は、お金がないなかで7年もの歳月をかけて画譜を買い揃えようとする御仁を知っている。名主も道理をわかっているし、その話に心を打たれた。名主は難しいと思いながらも少女を説得しようとし、少女はすんなりと画譜を返却した。少女も同様にその御仁の話に心打たれ涙すら流していた。
名主が少女を守ろうと万事周到にしていたが、その心意気が却って彼の目を曇らせていたかもしれない。
感想ではなく要約擬きになってしまったが、上手いこと言語化ができない。未熟極まりない。
ここに至るまでの、意地を張ってしまって金が入用になってしまった平助の話、猫が苦手だけど殺生も御免な名主が猫を拾った話、猫を拾ったことで心の余裕ができて生きやすくなった話なども全て、各人の質の解像度を上げる重要なものだった。
「物之本の本とは『根本』の本であり、『本来』の本であり、物事の本質を意味する。」 頁19


