汀線 "夕べの雲" 2026年5月6日

汀線
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@teisen
2026年5月6日
夕べの雲
夕べの雲
庄野潤三,
阪田寛夫
自分は目下のところ、風よけの木のことしか考えていない。早く大きくなって、この家を見えなくしてくれるような木のことを夢みている。ばらを育てるというのとは、かなり縁遠い気持でいる。美的感情とは別のもので胸がいっぱいになっている。 しかるに兄は、そんなことは知らない。前の家の時にはライラックを買ってくれ、今度はばらである。もともとこの兄は、木も好きだけれども花の方がもっと好きだ。自分は木が好きというよりも、今や必要に迫られて1大風で家もろとも吹き飛ばされないために、風よけの木に夢中になっている。 p18
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