
ラスコーリニコフ
@Read-er
2026年5月6日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
本屋大賞受賞作。価値観の変わりうる良書。
ファンダム経済をテーマとして、作る・入り込む・抜け出す、3人の視点で物語が進む。
「神がいないこの国で人を操るには物語を使うのが一番いい」、帯にもあるこの言葉が刺さる。また同時に、それが現代人の本質でもあるのだと考えさせられる。孤独感の増す現代人は、何かを信仰しなければ、何かに人生を使い果たさなければ、苦痛なのだな、と報われない現実を感じる。
視野を狭めて快楽に浸るか、視野を広めて苦難を行くか、どちらを選ぶのかは人それぞれ。しかし最も強いのは、その選択肢をコントロールしてファンダム経済を創り上げる「作者」たち。使う側より作る側。作る側は、効果を最大化した「物語」を駆使して信者を増やし、その信者は自らの全てを使い果たす。しかしそれが幸せの形でもある。いい意味で後味が悪い。

