
yt
@yt
2026年5月7日
海を吸う/庭に接ぐ
才谷景
読み終わった
「真っ暗闇は、皮膚に触られた途端、弱い吸盤になって絡みつき、離さない、と必死に引き込む」(p9)
目を閉じて身体に向き合い続けるとこういう文章が生まれるのだろうか。
「望まれたようには生きられない」(p12)
母と娘の関係性はどういうものか考えたい。
筒の残酷性は確かにある。
(海を吸う)
「父の体が庭の奥へと入って、入っていく」(p44)
庭の話だが、あの庭の話ではない。
あちらは都市生活の中に庭をつくり、こちらは森へ庭で対抗する。
「都合が悪いとすぐ黙るのね、どいつもこいつも」(p93)
「柔らかな葉に包まれて、どんなことでも、できそうだった」(p102)
父と娘の関係性はどういうものか考えたい。
精神的な囲い込みのようなもの。
「途方なく広がりつづける枝木に絶望しても、何もかもが離れていく恐怖に苛まれても、手のつけられない現実に押し潰されたとしても、あの枝のように、あなたに寄り添い続ける枝があることを、そうしてそれがあなたにとっては私であるということを、もっとはっきりとした言葉で、過去で、今で、未来で、あなたに見せたいと、そう願った」(p117)
読後はいつまでも悪夢が覚めない。
(庭に接ぐ)









