

yt
@yt
どんなプロの書評より皆様の感想が沁みます。
ただ眺めているだけで読みたい本が溜まっていくの、誰が責任とってくれるんやー
- 2025年11月21日
- 2025年11月16日
- 2025年11月16日
- 2025年11月15日
金閣寺三島由紀夫読み終わった「そこで小さな夏の花を見て、それが朝霧に濡れておぼろな光を放っているように見えるとき、金閣のように美しい、と私は思った」(p29) 最初はこの程度の美しさだったんだが。 「しかしそのときの感動は、どんな解釈をも拒んだ」(p67) 妄想を加速させる出来事が随所に配置されて。 「感覚はおよそ私をあざむいたことがない」(p251) とうとう、もう誰も止められなくなった。 妄想なのに何か必然めいてくる筆力がすごい。 「菓子パンと私との関係」(p305) 人間こんなこと考え出したら要注意ですな。 - 2025年11月12日
- 2025年11月12日
ハッカーを追え 新装版ブルース・スターリング,Bruce Sterling,今岡清読み終わったアメリカの電話交換手が機械に置き換わっていた1990年。 このシステムをダウンさせたのは誰か? 「警察は、ハッカーは一人残らず泥棒だと信じたがっている」(p100 旧版) SF作家が描くハッカー黎明期。 ジョブズとウォズニアックのブルーボックスも、グレイトフル・デッドも、ホールアースカタログも出てきます。 純粋な好奇心には好感が持てる一方で、本能的な開拓への欲求には疑問も出てくる。 「これは犯罪と、そして犯罪に対するリアクションがぼくたちにもたらしたことのひとつなのだ」(p302 旧版) 裁判でコンピュータの使用を禁じられるハッカー。 Winny の金子勇を思い出した。 - 2025年11月10日
BRUTUS (ブルータス) 2025年 11/01号BRUTUS編集部読み終わったやってくれたぜBRUTUS! ラブソングベスト100とは。 時代も横断して、あのアーティストがこの曲?とか。 選評を読めば納得の順位です。 「ラブソングって、嬉しくて、悲しくて、切なくて、辛い」(p60)というあの人のインタビューも良かった。 論争を呼ぶかもしれないけど、チャレンジした心意気に感謝。 80位近辺でもうこんな感じ↓ てアツすぎる。
- 2025年11月7日
彼の左手は蛇中村文則読み終わった世界を変えるために、テロでは何が足りないのか考える。 線の向こう側へ行かないための言い訳だ。 「人って厄介で、その厄介な存在同士なんだから、・・・・・・優しくあった方がいい」(p141) 藤本タツキ「ルックバック」で被害者を想像し、本作で加害者を想像し。 どうなってしまうんだ「令和元年のテロリズム」(磯部涼)は。 村上春樹の牛河みたいなキャラが今は求められていて、実は人を救っているのかも。 - 2025年11月3日
RPGのつくりかたさやわか,アトラス読み終わった「つまり「ゲームは現実を変えられるかもしれない」と思わせてくれるゲームってことですね。最高のやつだなあ」(p42) ファンタジーが再構築される過程のインタビュー。 「開発期間、長いですよね。もっと短くできればいいのになと思うんですよ。見ていて、信じられなくならないですか?」(p218) ゲームクリエイター橋野桂の6年間、「メタファー:リファンタジオ」の設計図。 「こういうちょっとしたことが原因で、ゲームがつまらなくなることは、意外とたくさんあるんです」(p296-297) 膨大な量の調整、細部の試行錯誤、情熱がすごい。 「その世界の中で主人公や仲間だけが切り離されて「よそ者」として世界に付き合ってしまうと、遊んでくれたプレイヤーが、現実世界に持ち帰るものがなくなってしまうような気がしました」(p432) 本気で世界を変えにきてるし。 幻想とは、現実に影響をもたらさない、無力な作り物か? →その通りだ →そうとは限らない 最高のやつだなあ。
- 2025年10月29日
虚言の国 アメリカ・ファンタスティカティム・オブライエン,村上春樹読み終わった虚言の国から大統領が来た記念に。 「彼は理由もなく嘘をついた。ふざけて嘘をついた。嘘の響きを聞きたくて嘘をついた」(p317) 自由がなくなり、次に慎み深さと品位がなくなった国だ。 そこでは銀行強盗や殺人が気軽に行われて、予測不能のタランティーノ作品みたいだ。 「それが真実でないことを彼はちゃんと知っている」(p606) 誰かが信じてくれるから嘘は生まれる。 その不思議さについてたっぷり浸れました。 「それこそが、この国を再び偉大にするものだ」(p502) こういうまがまがしい奴は信用ならない。 - 2025年10月25日
歌舞伎町に沼る若者たち佐々木チワワ読み終わったホストクラブにおける搾取と依存の構造。 「私の人生はもともと何もなかったんだから、色をつけてくれた担当に全部捧げてお礼したいんです」(p139) 沼ってた当事者である著者の卒論本。 「指名しているホストと己の関係は、「推し」なんて言葉じゃ生ぬるいほどさまざまな意味で親密であり、捻れた感情を抱いていた」(p115-116) 知らんことばっかりで、永久指名とか謎ルール多すぎ。 「身体を売ってでも買いたいものは何なのか」(p116) 人を消費することに慣れた私たちの指針になる。 「担当と離れる幸せでも担当と添い遂げる不幸でも」(p218) - 2025年10月21日
ユートロニカのこちら側小川哲読み終わった虚構のアメリカで理論武装されたユートピア。 「自分に残された仕事は、これから先の何十年か分のスケジュール帳を、なるべく不快な気分にならないように埋めていく作業だった」(p57) テクノロジーと神が衝突する世界で、テロや忘却、自死について考える。 「責任を取ることは、人間に残された美点の最後の砦だからな」(p116-117) 虚構にはならないと思えるくらい詳細が詰められていて、あいかわらず面白い。 足し算のできるゴリラは、朝食のあとにブラックコーヒーを飲むと思えたら、もうユートロニカのこちら側です。 - 2025年10月19日
ミライミライ古川日出男読み終わった北海道がソ連に占領された世界線。 HIP HOPから派生し、NIPPONのキリル文字文化圏で生まれたNIP NOP。 「野狐がそのうちミライミライって言いそうな気がする」(p224) 占領下のアンダーグラウンドカルチャー、村上龍の世界観だ。 最新”にして細心のリアリティ。 才人たちがみんな魅力的で、持ってかれました。 名前や誕生日を誰かと交換してみたい。 いろんな答えが知りたいんだよ。 - 2025年10月16日
急に具合が悪くなる宮野真生子,磯野真穂読み終わった「私にとって宮野さんはがん患者でも病人でもなく、まずもって哲学者であり、その哲学者ときちんと言葉を交わした先の風景を見てみたい」(p152) いつ死んでも悔いがないように、とか。 リスクヘッジや因果関係とか。 あくまでこれらは前提条件に過ぎず、自分しか死をどう迎えるのかは決められない。 自分の選択が自分の存在を価値づけるから。 「確率論を装った〈弱い〉運命論」(p38) 医療業界には引き続きがんばってもらいたい。 読んだら自分の死を考えることになった。 生きる方針を定めることが、死の方針を決めるんだ。 最後泣いた。 - 2025年10月15日
- 2025年10月15日
- 2025年10月14日
パンチラインの言語学川添愛読み終わった様々なコンテンツから言語学的に際立った名ゼリフが分析される20章。 ほろ苦スカートとか、ただ面白いだけよとか、言語学目線が研ぎ澄まされている。 ガンダムで作る国語文章問題、最高でした。 だれが、のびちゃんのいうこと、うたがうものですか。 人がこれに感動する構造が解き明かされるのすごいです。
- 2025年10月9日
会話の0.2秒を言語学する水野太貴読み終わったあっ、この人、今しゃべり終わりそうなサインが出てるな、次は私のターンだな。 で、しゃべるまでが0.2秒。 ゆる言語学ラジオの人がゆるく詳しく語ります。 「あのー」「えーと」「うーん」の違いとか考えたこともなかったけど、自然と使い分けてるのすごいね。 読めば読むほど人の言葉選びはLLMなんだなって思えた。 会話のやり取りでキャッチボールされている呼吸のような合図もすぐに機械学習できそう。 AIもフィラーやジェスチャー入れるし。 悲しいような、やっぱそうだよなという諦めなような。 ここからもう一歩ジャンプするような論は可能だろうか、考えたい。 これでもうアグリーとかコンフリクトとか言う人に偏見を持ちません! - 2025年10月7日
- 2025年10月4日
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