Unununium "ハサミ男" 2026年5月7日

ハサミ男
ハサミ男
殊能将之
直近4月~5月で「十角館の殺人」「殺戮にいたる病」と叙述ミステリーの名作を読んできて、少しは叙述ミステリーの心得を持った状態かつ、「絶対に騙されないぞ!」と意気込んで読んだ本作「ハサミ男」だったが…素晴らしく綺麗に騙された!再読したい一冊! 【以下ネタバレはしてないが、全く何の情報もなく読みたい方は注意】 全体を通して引き込まれる内容だったが、特に全体の半分過ぎたくらい、第四章くらいから加速度的に面白くなって、途中で読むのを辞めなきゃ行けないタイミングでも中々ページを捲る手を止められなかった。 終盤の第十一章辺りで、「まだ100ページ以上もあるし…」と気を抜いて読んでたら、いきなり「ええっ?!」と言う状態になり…さらにそこから怒涛の「ええっ?!ええっ?!」という驚きの状態が続く。 異なる視点で複合的に描かれている作品だが、最後の真相が分かる箇所では、違和感があったセリフや行動が全て繋がってスッキリした。 ラストは少しゾッとするような読者の想像を掻き立てる終わり方で、個人的には鳥肌がたった。 音楽、絵画、文学などからたくさんの引用があり、引用元の作品を知る事でもっと深く本作の世界に浸れると思うので、再読する際は引用箇所しっかりメモして元作品にも触れたい。 本編ストーリーが気になり過ぎて、読むのを優先してしまい、メモも取り忘れたし全然調べられてない笑 今絵画に興味があるため、ジョヴァンニ・セガンティーニの「淫蕩の罪」だけ先に調べて見てみたが、綺麗だが冷たく、どこか不気味になのに、何故か惹かれて目が離せなくなる作品だった。 『堕胎を犯した女性たちの罪と救済を描いている』との説明を知り、「なるほどな」と納得した。
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