ON READING "虫の時間" 2026年5月7日

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2026年5月7日
虫の時間
虫の時間
いりえ,
こだま
エッセイストの「こだま」と、神保町にて間借りで本屋を営んでいた「いりえ」による一年半の往復書簡。 一度しか会ったことのない相手なのに(きっと、だからこそ)いつの間にか家族や友人にも話さないような悩みを書くようになっていく。 虫の話から始まり、お風呂に入れない、洗濯物をしまえない、メールが溜まる、優先順位がつけられない、先延ばし癖や脳内多動……。 ゆっくりゆっくり自分自身に近づいていく、22通の手紙。 往復書簡ゆえの”遅さ”が、手紙をとどける相手のことだけでなく、自分自身をまなざすためにも必要な時間だったのだろう。 書いて、手渡して、返ってきて、また考えて。渡す相手のある言葉は幸せだ。虫の時間はケアの時間。 衒いのないおふたりの文章が心地よく、困りごとにもシンパシーを感じながら、するするとそのやりとりのなかに入り込んで、読みながらほぐれていく。その時、私もこの手紙の受け取り人のひとりだった。
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