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ON READING
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  • 2025年8月13日
    ガラスと雪のように言葉が溶ける-在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡
    自分の子供と異国の言語で話す文化人類学者のイリナ・グリゴレと、自国の言葉を話せないライター、尹雄大が、自らルーツと言語、そして言葉で表現できないアイデンティティと身体感覚について語り合った往復書簡集。 読み始めてすぐ、これはゆっくり読む本だ…と思い、毎晩少しずつ、ちびちび大事に読みました。 相手の名を呼びながら、互いのいる土地に想いを馳せながら。 ずれたままで、むやみに同調をすることなく。こんな風に、誰かと対話をすることができたなら。 暴力、身体、異国、移民、植民地主義、言葉、祖母、母、父、子ども、武術、病、痛み、食べること、ルサンチマン、国家。 イリナさんの「言葉」や「身体」に対する鋭敏な感覚、尹さんの自身のルーツと家族に対する想い。 かねてから、ひとりで文章を書くことと、誰かに宛てて文章を書くことの違いと可能性を感じられる「往復書簡」という枠組みがとても好きなのですが、これまでのおふたりの著作ともまた違う言葉のやりとりに、震えながら読みました。読んでいる私たちの、深いところまで届く対話です。ずっと読んでいたかった。
  • 2025年8月5日
    ここは安心安全な場所
    自身の経験を真摯に文章にしてきた写真家、文筆家の植本一子による、あなたとわたしの現在地をみつめるエッセイシリーズ「わたしの現在地」。 二年前、西村佳哲さん主催のワークショップ「インタビューのワークショップ」に参加するため、遠野のクィーンズメドウ・カントリーハウスを訪れた著者は、そこで暮らす馬たちと、その馬のお世話をする「とくさん」に出会い、それ以来、数回にわたって通うようになります。 日頃の生活のなかでの名前や、社会的役割から離れ、ただの「わたし」として、人や馬と出会うこと。言葉を介さない馬との、気のやりとり。暗闇で、馬の気配を感じることーー。 傷を負い、葛藤を抱えながら生きてきた心を携えて、馬たちと過ごす静かな時間のなかで、自身の変わっていく内面を見つめた、8篇のエッセイと1篇の詩、そして写真。さらにこのエッセイ集の主要人物である「とくさん」こと徳吉英一郎さんの寄稿文を収録しています。 肩書や役割を脱いでしまった自分はきっと、最初は少し心細い。けれどそうした「無名」の状態でただそこにいることは、ほかならぬ自分自身と出会いなおすことなのだろう。「自分自身で生きる」ってなんだろう。何度も問い直す植本さんの姿をみて、私たちは一生をかけて、その練習をし続けているのかもしれない、と思った。 冒頭、久しぶりだというフィルムで撮影された写真が、まず素晴らしい。植本さんの世界に向き合う態度。人懐っこく、同時に少しおびえて、まっすぐに。それが本当に写真から伝わるのです。 私は今作、最高傑作だと思います。毎度、最高傑作を更新してくる植本さんなので、たぶん、次回もそう言うかもしれないけど。
  • 2025年4月26日
    たのしい保育園
    ひと足先に読ませていただいたのですが、発売前からいろんな人に「めちゃくちゃいいんです!」「話したいから早く読んで!」と言いまくっていたこちら! 二歳のももちゃんとももちゃんのお父さんは日々、川べりや公園を歩く。過ぎていく時間と折々の記憶は、いつしか祈りへと昇華していく――。 父娘のなにげない日常を様々な角度から描き、いままで言語化されていなかった「育児」のディティールが驚くべき解像度で迫ってくる、まったく新しい「父」の連作短編集。 保育園までの道、鳥の名前、植物の名前、すれ違う人びと、保育園の先生たち、登園時の連絡帳、ふいちゃんとあみちゃん、お母さんへのプレゼント。「ももちゃんのお父さん」になって、世界と出会いなおすこと。 もう大人になってしまって、梅と桃の違いも、十秒前と一年前の違いも知ってしまった私たちは、ももちゃんのようには世界を知覚することができない。だけど、ももちゃんの視点を通して想像することはできるのかもしれない。 この小説は、ももちゃんを見ている「ももちゃんのお父さん」を通じて、私たち読者も追体験することができる。 世界は、なんて色鮮やかなんだろう。私たちは、それを本当に知っているのだろうか。 読んでいる間、ほんとうに幸せでした。今も、思い出すだけで心が震えます・・・。 植本一子さんとの往復書簡『さびしさについて』もあわせてどうぞ。おふたりの子育ての話がたくさん出てきます。 さらに言うと、この感覚は『世界をきちんとあじわうための本』(ホモ・サピエンスの道具研究会著/ELVIS PRESS)とも通じているな~、と思います。そうやって、あれもこれもといくつもの本につながっていく。これこそが世界。いろんな本の隣に置いて、ずっとずっと何度も読みたい一冊です。
  • 2025年4月21日
    生きる力が湧いてくる
    凄まじい。 一気に読んでしまった。
  • 2025年4月20日
    おめでたい人
    おめでたい人
    最高。
  • 2025年4月15日
    湖まで
    湖まで
  • 2025年4月15日
    世界をきちんとあじわうための本
    世界をきちんとあじわうための本
    この本に出会ってから何割か人生楽しくなった。
  • 2025年4月14日
    あやとり
    あやとり
    言葉ってすっごく永く香るから いま潮風に手帳ふくらむ ついに発売になりました~!この「赤」、どきっとします。 戦争体験者への取材をもとに連作「つぐ」、尾張藩主の御巡覧と伴走した「知多廻行録」、亡命中のシリア人活動家や、パレスチナ系作家への取材をもとに作られた作品を含む265首を収録。 特に名古屋近辺の方に是非読んでいただきたいのは「つぐ」です。雑誌掲載時に大興奮したのを覚えています。言葉を失うほどの壮絶な体験を語る、名古屋弁のヴォイスが、とても美しい。 思わず、指でなぞりたくなる(攻め箔、というのだそう)素晴らしいブックデザインは、名久井直子さんです。
  • 2025年4月14日
    みえないもの
    みえないもの
  • 2025年4月6日
    遠くまで歩く
    遠くまで歩く
    これほどまでに、現実と小説の世界がシームレスになった体験があっただろうか。読み始め、あまりのリアリティにかすかな居心地の悪さを感じたほどだった。読み進めるにつれ、登場人物たちの語りが私にとっても馴染みのあるものになってゆき、読み終えた今、それは私の中に「記憶」された。 私自身が忘れてしまっても、誰かが私の言葉を(声を、表情を)覚えていてくれる。逆もまた、しかり。 私はこの小説の中に登場した人物が思い出したこと、語ったことを、いつか断片的に思い出すだろう。そこに小説と現実の境はない。そのことの豊かさ。そのことの心強さ。 柴崎友香さんは、小説を小説世界の中から拡張するような作品を作り続けている。それでも、それが小説であるからこそ表現できること、超えられることだと信じているのだと、私は思う。
  • 2025年3月28日
    随風 (01)
    随風 (01)
  • 2025年1月9日
    ことぱの観察
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