
橘海月
@amaretto319
2026年5月7日

ビオレタ
寺地はるな
読み終わった
四年近くつきあった彼に婚約破棄され、見知らぬ町で泣いていた妙に声をかけてくれた菫。彼女は雑貨屋でアクセサリーや人形の他に、大事なものを埋葬する小さな棺桶を売っていた…。
絶望から徐々に日常を取り戻す主人公と、風変わりな周囲の人々の優しさが沁みる物語。
一番印象が変わったのは、主人公が「とりあえずつきあう」とした年の離れた千歳だ。誰にでも優しく、女性にだらしないおっさんでしかなかった彼が、日々を重ねるごとに特別な、かけがえのない存在になってゆく。それは妙にとってただのバイトでしかなかったお店もそうで。運命とは劇的なだけでなく、こうした密やかに訪れるものでもあるのだなと思った。


