
鳥澤光
@hikari413
2025年3月22日

裸足でかけてくおかしな妻さん
吉川トリコ
読み終わった
読む本読んだ本2025
吉川トリコ作品には魅力がいろいろあるけど、なによりその誠実さと軽やかなものの重さを愛して読んでいる。
《なにかを剥奪されるような気持ちに野ゆりはなったが、ではいったい楓がなにを自分から奪っていくというのだろう。野ゆりにはなにもなかった。なんにもなくて、なんでもなかった。ただ妻という役名を与えられているだけで。》(P186)登場人物が思うことの表面に出てきているものと奥に潜んでいるもの、いくつかの、ふたつ以上の、時間としては離れてある層を一緒に書いてしまうの凄。