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鳥澤光
鳥澤光
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@hikari413
  • 2025年7月9日
    緑の歌 - 収集群風 - 上 (ビームコミックス)
    細野晴臣の誕生日とはまったく知らないまま読んでいた。あまりにも絵が素晴らしく、その絵に負けない強度が物語の真ん中にあり、先頃完結したばかりの『隙間』とつながり響き合う部分もあってはじめて読んだとき以上に揺さぶられる。CDウォークマン欲しくなるなー(買ったの四半世紀ぶりくらい? もっと前!?)。
  • 2025年7月4日
    関係のないこと
    上田岳弘の小説は出たら読むと決めている。読むからには楽しみたい、だから調子を整えてのぞみたい。という前提をステンと転ばされる作品集。リアリズムを選び取った作家の心の振動が伝わってくると思える瞬間がある。 表題作の、こう書かねばならないと作家の脳みそを駆動した現実を思う。辛い。怖い。怒るエネルギーすら奪われるほどの残酷。それを切り離すことで生活を生き延びているとしても、それだけではダメで見つめなければならない現実がある。子供が守られてほしいと願うのをやめてはいけない。狂った世界と無力感に心を乗っ取られたくない。 読書の快楽を与えながら、快とともに生きることへの疑問を置いておく。小説ならではの形で考えることを促される。 《錦戸と僕は似ていない。錦戸が気になることが僕には気にならないし、錦戸が恥ずかしいと思うことを僕は恥ずかしく思わない。錦戸が誇らしいと思うことを僕は誇らしいとは思わない。離婚のことについても、職場のことについても、彼の話はすべて僕にとっては力点がずれているように感じられる。まるで別の世界から来た人みたいに、あるいはフィクションの中の人みたいに。》P76-77「関係のないこと」 てにをはの展覧! 細やかに動き回る文字を追うことの快楽はこんなところにもあるなあ。
  • 2025年7月3日
    口に関するアンケート
  • 2025年7月2日
    マラケシュの声: あの旅のあとの断想
    嫌悪感や哀しみを言葉にして残す。憐憫を否定しない。こういう文章をほかにどんな人が書きえただろう。読みすすめるうちにいろんな感想が浮かんでくる。一冊の本を読んだのではないみたいになる。こんな本がなんてことない顔をして本棚に刺さっている幸せを思う。(はらくんありがとう) 14の断想のうち、特に印象的だったのが「駱駝との出会い」「格子窓の女」「ダッハン家」と「見えざる者」。「スーク」の景色も。 《〈今日は香辛料たちのなかへ入ってみたい〉と、かれは思う。すると、さまざまな香辛料の入りまじったすばらしい匂いがかれの鼻をつき、目の前に赤い胡椒の入った大きな籠がいくつも見える。〈今日は染めた羊毛たちのところへ行けたらいいんだが〉すると、もう緋色や紺色やオレンジ色や黒色に染めた羊毛がまわりの店のどの天井からもぶら下がっている。〈今日は籠たちのなかへ入って、籠を編んでいるところを見たい。〉/人間のつくりだしたこれらの商品がこれほど多くの威厳をもちうるとは、驚くべきことである。》P23「スーク」 市場には生産するところを見られる店もある。生産する過程が売り物に近いというか、売り物が動きを含みもっていて価値を高めているものの存在って興味深い。「バッグの中身みせて」企画に通じる不思議な魅力がある。 《それは開かれた活動であり、行われていることそのものが、完成した商品のように姿を現す。じつに多くの人知れず隠されたものがある社会、家々の内部や女たちの容姿やさらに礼拝堂さえも外人に対して嫉妬ぶかく隠す社会において、生産され売られるもののこの著しい開放性は、二重に魅惑的である。》P24「スーク」 猫が出てくるとなにはともあれ嬉しくなる。 《階上に猫が一匹いる。この猫は憧れていた音なき世界の化身である。猫に感謝する。猫が生きているからである。》P43「家の静寂と屋根の空虚」 《「エーリーアス カーネーティ?」と父親は訝しげに、おぼつかなげにくり返した。(…)かれの口のなかでこの名前はより重々しく、より美しくなった。かれはその際わたしを正視することなく、この名前の方がわたしよりも現実性があるし、名前はそれを探るに値いするといいたげに、見るともなく前を見ていた。》P114「ダッハン家」
  • 2025年7月1日
    ペットを愛した人たちがペットロスについて語ったこと
  • 2025年7月1日
    草の竪琴
    草の竪琴
    山本容子の装画が美しくて飾っておきたいほどだ。カポーティほとんど読んだことないので楽しみ。
  • 2025年7月1日
    レモネードに彗星
    カクヨムの企画のために円城塔さんが信じられない数の作品を読んでいることを話されていたのが印象に残っていて、その後円城塔賞発表、そして単行本🍋というわけで読む!
  • 2025年6月30日
    Amy’s Kitchen
    Amy’s Kitchen
    自分にもできる、と思わせる塩梅がすごい、今井真美さんのレシピ。小説から連れてきた料理もこのとおり。 山田詠美作品を19〜22歳くらいで何冊か読んだのはお隣のゆきちゃんがドンドコ持ってきておすすめしてくれたから。懐かしい。
  • 2025年6月29日
    眩暈
    眩暈
  • 2025年6月27日
    ジェイムズ
    ジェイムズ
  • 2025年6月27日
    去年、本能寺で
    『古今和歌集』のルビが{コレクション・オブ・ジャパニーズ・ポエムス・オブ・エンシェント・アンド・モダン・タイムス}になっている、この1行だけで何分でも笑ってしまう。 「三人道三」がすごすぎて一時停止してたけど再開。したら《釣り糸というのは繊細なものであるべきだが、魚の方でもこの時期はまだ大らかであり、粛々とそれが使命であるかのように焚き火に自らの身を投げ出していたかもしれない/ひょっとすると、数万年を川のほとりで、糸を垂らしたまますごした者もいたりした。》(「存在しなかった旧人類の記録」P91)だなんて…… 過去があるなら未来もある。そのふたつが異質だなんてどうしてわかる? 時間が一方向にしか流れないなんて嘘に決まってる?
  • 2025年6月25日
    筏までの距離
  • 2025年6月25日
    群像 2025年 6月号
    「乗代雄介の10年」目当て。 短篇「ボートハウス」、大西巨人のミステリや青山真治の映画「レイクサイド マーダーケース」を思い出しながら読んだ。この笑いの種類(好き)、初期の小島信夫にもつうじるものがあると思うんだけど、「新感覚派を追って新しい書き方を」という作者の言葉もあったので「感覚」についてもうちょっと知りたくなる。というわけで稲垣足穂とか久しぶりに読みたいね。
  • 2025年6月24日
    星になっても
    星になっても
    もう一度頭から読んでみた。
  • 2025年6月23日
    SPUR (シュプール) 2025年8月号 [雑誌]
  • 2025年6月21日
    ハックルベリィ・フィンの冒険 (世界文学の玉手箱 7)
    『ジェイムズ』読みたいので予習。小島信夫訳とあって楽しいばかりだし山本容子の装画もいいな。(ノーマン・ロックウェル画のも撫ぜてみたい気持ちある) 《木の切り株があると人かと思い、木ぎれを踏み折ると、だれかがぼくの呼吸を二つに切り、そのうちの半分、しかも短いほうしかぼくにくれなかったかのように、はっと息がつまるのだった。》P59
  • 2025年6月21日
    星沙たち、
    星沙たち、
  • 2025年6月21日
    初子さん
    初子さん
    《「夢だけ追っていてはだめよ」とはこっちが言ってやりたい言葉だった。こんな蒸し暑い夜に窓を開けただけの部屋で、体から湯気が出そうになりながら仕事をしている。これが現実以外の何であろうか。》「初子さん」P33 《パリ千代は嘴でうつつという言葉をぱちんと割る。パリ千代が再現すれば全ての音も言葉も今までの意味を失った。パリ千代が鳴けば、その音はもうその物や人から離れてしまった。(…)人の声もパリ千代が習得すれば、その人の存在を示さなくなった。劇場はそうやって壊れていった。がらくたになった。音や声が物や人からはなれてぬるま湯を浮遊した。パリ千代が鳴くたびに、音や言葉は今までのところからはがれていった。言葉が世界からはがれると、世界は混沌に戻る。言葉を失った世界は闇に還る。》「うつつ・うつら」P143-144 《人間の赤ん坊が言葉を覚えたら、世界はどうなる。金太郎はパリ千代とは違う。言葉を縫い付けている。世界を作っていく。》「うつつ・うつら」P161
  • 2025年6月14日
    多聞さんのおかしなともだち 上 (ビームコミックス)
    物語をとおして、言葉によって、本の此岸彼岸がどう通いあうのか楽しみにしながら読んでる。絵がキレーーイでマンガの道具についても知りたくなる。 《マンハッタン{本の中}のタック・バッド{おんなのこ}がーー(…)わたしに/いつか…気づいてくれんちゃうかとか…たぶんそんなこと思うとって…/本の中の自分に似た女の子にしか/話されへんと思うてたことが…ずっとあって…》P75〜76 こんな感覚は私もどこかに持っていて、だから『若草物語』から『ロジックツリー』まで大家族の生活の手触りのある物語がずっと好きだ。異質なものとして扱わず、人の位置を相対化するときの感情の動きの描写が自然であるとなお嬉しい。と、つい自分にひきつけて読みたくなる。 「コミックビーム」で第一話を読んで、すぐ作家のSNSアカウントを探して、単行本化を楽しみにしていたマンガ。上下巻のコンパクトさもよい。
  • 2025年6月14日
    文学界 2025年 7月号
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