記憶の本棚 "六人の嘘つきな大学生" 2026年5月8日

六人の嘘つきな大学生
おそらく完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない。一面だけを見て人を判断することほど、愚かなことはきっとないのだ。 ------------------------ さりげない言動に潜む伏線の見事さと、伏線が回収されるごとに善と悪が二転三転とひっくり返る、印象操作の鮮やかさ、ドキドキハラハラ感が、スピード感溢れる展開で面白かった。 『就職活動』=『将来的に何をやらせるのかは決まっていないけど、向こう数十年にわたって活躍してくれそうな、なんとなく、いい人っぽい雰囲気の人を選ぶ儀式』という皮肉まじりの説明も、就活を乗り越え、実際に何年も働いた今思い返せば、「本当その通りだよな」と苦笑してしまった。 人は、目の前で起こった事実からしか物事の良し悪しを判断できない。しかし、目の前で起こったことのみでは、本当の物事の良し悪しはわからない。 だからこそ、想像力をもって、「この事実からこんなことも読み取れるのではないか?」「ひどいと思った言動だったが、こういう善意からこの行為をとったのではないか?」と、物事を多面的に捉えて考えることの大切さを改めて気づかせてくれる一冊だった。
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