
和月
@wanotsuki
2026年5月8日
神の蝶、舞う果て
上橋菜穂子,
白浜鴎
読み終わった
上橋さんの物語は、一度本の世界に入り込むとそのまま抜け出せなくなるような没入感があり、本当に大好き。獣の奏者は確実に人格形成を担ったシリーズの1つだし、香君も寝食忘れて読み耽った大好きな作品。
そんな上橋さんの原点回帰の本作。著者特有の細やかな情景描写や設定もさることながら、『神の蝶、舞う果て』以降の作品に通じる要素も感じさせる展開が複数あり、物語達の萌芽や創作の軌跡を辿る喜びに満ちている。
主人公・ジェードの人物像も、荒削りな若さが瑞々しくて好ましい。相棒のルクランとの関係性や、今後の彼らの世界の行方をもっと読みたくなった。
本作含め、上橋さんの作品を読んでいると人間の視点だけでは測れない世界の美しさ、恐ろしさ、偉大さについて気付かされる。ご本人は寡作と仰られているけれど、その一冊一冊の素晴らしい重みを噛み締めながら、何度も読み返したいと思う。


