湾岸スキーヤー "ヘヴン" 2026年5月9日

ヘヴン
ヘヴン
川上未映子
「なにかに意味があるなら、物事の全部に意味はあるし、ないなら全部に意味はない。」  物事には全て意味があると信じるコジマとその逆の思想を持つ百瀬の対比が印象的。  世界というのは結局各人が都合よく解釈しているだけにすぎないという百瀬の発言には納得させられるところはあるが、では全てには意味がないのかと言われると、そうとも思えない。結局読み終わっても結論は出ない。  手術後の並木の美しさというのは、(意味を持たないが、?)ただ美しくそこに存在している。意味のないものにたいして、「僕」が世界を解釈している、という意味なのか?  ひとつの世界を生きるしかないという絶望から涙を流す→手術をしていつも見ていた並木道の見たことのない美しさ(「はじめて世界は像をむすび、世界にははじめて奥行きがあった。世界には向こう側があった。」)を知る。今いる世界だけが世界ではないという気づき(カタルシス?)がこの作品の主題なのか??
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved