
あんぱん
@chocopan
2023年7月17日

老人と海
アーネスト・ヘミングウェイ,
高見浩
読み終わった
かつて読んだ
読書日記
海の日までに読めて良かった。
魚が食べたくなった。
読んでる最中は寧ろ「老人と魚」なんじゃないか、と思ったけど、最後に題名の意味がわかった。
すごいものをしとめてもどんどんサメに食いちぎられてくのが切なかった。
ただ、その分舟は軽くなって陸には戻りやすくなり、最後は(残骸は残ったが)「ただ沖に出すぎたんだ」と呟く老人。
この一連の漁自体にどういう意味があったのか、という問いが、老人にも読者にも向けられているような気がした。
出港して戻ってくるまで何もなかったかのようにしても辻褄が合いそうな構造は“夢オチ”にも似てる気がするが、まだ残骸があるのが「それが現実であった」ことのせめてもの証拠。
どこか幻想的ですらある。時々出てきて最後にも出てくる「ライオンの夢」が意味するところが、まだよくわからない。
途中で老人、このまま死んでしまうんじゃないかとはらはらしたが、ちゃんと戻ってきてるところにほっとした。少年が泣いて迎えてくれてるのが愛しい。
ミルクと砂糖をたっぷり入れた缶のコーヒーがどんなものかな、と想像したりした。
そうだ、この話も紛れもなく野球文学に入れてもいいだろう。生活に根付いてる野球の話は良い。
巻末の翻訳ノートは「当時のアメリカ・キューバの野球事情とメキシコ湾流の実態」であり、「知っておくとよりいっそう細かなニュアンスが理解でき、楽しめるだろう」とあり、やはり野球文学であったことを思い知らされた。



