Takahiro Hirano "脳のなかの免疫、免疫のなかの..." 2026年5月9日

脳のなかの免疫、免疫のなかの心
脳のなかの免疫、免疫のなかの心
モンティ・ライマン,
佐々木拓哉,
塩崎香織,
塩﨑香織
ここ数年読んだサイエンス系書籍のなかでベストの一冊。 帯には「"病は気から"を解き明かす」とあり、僕はそのコピーに惹かれて手に取ったのだけど、本書の射程はそれ以上だと思う。脳と身体の関係だけでなく、マイクロバイオームまで含み込んだ複雑なシステムを議論しているから。著者はそれを「三位一体」と表現している。 とても専門的な内容なのだけど、著者の譬え話が巧みで、素人にもイメージしやすいのがとても良かった。 近代科学は細分化によって進歩してきたわけだけど、その弊害もよく指摘されるようになった。この本では、分離するよりも統合すること、システムとして複数の要素の関係を捉えるという視点が重視されている。たとえば、歴史学でも国民国家を前提にした一国史からグローバルヒストリーへ、という形で、統合の視点が重視されるようになって久しいけど、時代の流れは細分化から統合ということなのかもしれないなぁなんて。
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