torajiro "イン・ザ・メガチャーチ" 2026年5月9日

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@torajiro
2026年5月9日
イン・ザ・メガチャーチ
推し活とその周辺にあるものを先鋭的に描いたというか、推し活を通して現代社会の課題を先鋭化させて描いたというか。展開的には想像通りな部分も多かったが、これでもかという解像度で色々なものを突きつけてきて、各登場人物がそれぞれの物語にのめり込んでいく描写を読みながら「一体どういう感情、感覚で読んでいられれば”正解”なんどろうか」という気にさせてくるのはさすが朝井リョウという感じ。解像度が高いを超えて何かもはやあからさまという言葉が浮かぶほど。決して悪い意味ではなく。 推し活へののめり込みというテーマについては先に『推し、燃ゆ』がある訳ですが、あの作品では登場しなかった偶像を作り上げる側である運営目線が強めに描かれているのが本作の特徴。基本的に3人の登場人物視点の物語が順に進んでいく構成で、推し活への関わり方や立場もそれぞれだけど、そこには「物語」「コミュニティ」などいくつかの共通する要素が提示される。大きな物語を失って久しい現代社会において、コミュニティや人とのつながりの希薄化が課題であり、推し活は物語とコミュニティを同時に提供しうるものであり、そこにまた課題がある…と。フラクタル構造みたいな感覚で描かれているのが面白かったし考えどころですね。このフラクタル構造は主要登場人物の外にも及んでいて、SNS等で炎上を外から見て批判コメントを書いているような人たちも、その文脈の物語やコミュニティを求めているのだろうし、果てはこの作品を読んで推し活の問題点についてメタ的な視点を得た読者もまた同じ構造の中に取り込まれていく。 個人的には推し活とファンマーケティング、ファンドレイジングなどの関係を考えたくて読んだけど、そこにコミュニティというまた重要なテーマも突きつけてもらえて考えるポイントが広まったかな。
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