JUMPEI AMANO "体の居場所をつくる" 2026年5月9日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2026年5月9日
体の居場所をつくる
居心地の良さ、あるいは居場所をつくるための、11人の工夫。 第一章は摂食障害のnaoさん。「噛み合わない」体との関係について。ビョンチョル・ハン『疲労社会』も補助線として登場。 〈ここに休む=中断の本質的な意味があります。休むというと、力を抜いて何もしないことだというイメージがありますが、いったん過剰な活動状態に飲み込まれてしまったときには、休むとはむしろ出来事を起こすこと、現在を揺さぶることに他なりません。〉(36頁) 第二章は同じく摂食障害(過食嘔吐)のヨウさん。ルーティン論としてもめちゃ興味深いお話。 〈ルーティン化した行為の連続性を中断することは、とりもなおさず、今から始める行為の一回性を認識するということに他なりません。〉(61頁〉 〈きまりから自由になるために必要なのは、それに従おうとする衝動を否定する意志の強さではない[...]必要なのはむしろ、きまりの外側にあるものに気づく出会いの経験なのです。〉(63頁) 第三章も摂食障害(拒食と過食の往復)のくり茶さん。中井久夫の「索引」概念を補助線に。 〈私たちは話は、外界のちょっとした刺激によって過去へと連れ戻され、感じ方がまるっきり変わってしまうような、穴だらけの家のような存在です。いわば世界に対して「漏れて」いる。〉(86頁) 第四章は脊髄性筋萎縮症(SAM)のシン・ユニさん。あらゆる他者の体が潜在的に「自分の体」である、というのは、頭ではわかっても体ではわかりきらない感覚だから面白い。「自分の体は何%くらい自分のものか?」に対する回答も凄みと深い含蓄があった。「セリフ」と「指示」が不可分に混ざり合うインタビューというのもまたすごい現場だ... 〈障害は、近代がつくりあげたこの「作者」という概念に、疑問を投げかけます。体の使い方が変われば考える方式が変わり、考える方式が変われば思想の主体も変わる。それは単に、そこに関わった人すべての名前を列挙すればいい、という単純な話ではないでしょう。〉(116頁)
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