もぐもぐ羊 "心の浮力" 2026年5月9日

心の浮力
心の浮力
平原奈央子,
イ・スンウ(李承雨)
表題作を読んだ。 李箱文学賞を受賞したらしい。 李箱の作品は読んだことはないけど、李箱文学賞受賞作品は何冊か読んだことがある。 離れて暮らす母と数年前に亡くなった兄をめぐる主人公のわだかまりのようなものがキリスト教的な切り口で述懐されていて興味深い。 聖書の創世記から引いた母と兄弟の関係を自分たちにあてはめるあたりとか、そういう発想は信じている宗教があってこその思考だし、信仰が身を助くことがあるのかもしれないと思った。 でも主人公は特に救われた様子はなかったので、そこはむずかしいところではあるけれど、悩みを解決するヒントにはなりそうだなとぼんやり思った。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 一晩寝て起きて気づいた。 主人公は母が長男より次男である自分を偏愛したと思っていて、愛を受けた子としての複雑さについて語っていたけど、物語の終盤になってそれがひっくり返って、それに気づいた時に兄はおらず伝えられない切なさが残った。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved