
トロ
@tontrochan
2026年5月10日
汝、星のごとく
凪良ゆう
読み終わった
@ 自宅
親に人生を振り回され愛を欲した男女の十五年の軌跡を描いた物語。
遠距離を経験したことがある人や、恋人との間に言い知れない溝を感じたことのある人には刺さるんではないでしょうか。お互いの深い部分にまで理解がある分、その都度の選択が正しくて空洞なことを後で省みる描写は、恋愛における男女の解像度が高過ぎて吐きそうになりました。
読み進めるごとにどんどん考え方や生き方が乖離していくのが読んでいて辛かったんですが、ラストに向けた大掛かりな寄り道だと思うと、色々考えさせられる本でした。
愚かである事は生きやすさと直結はしないけれど、理性的過ぎるのはあまりに不自由で苦しい。
この世で愛しているのはこの人しかいないような、運命としか思えない縁で結ばれたのが、作中の二人でした。
彼/彼女と結ばれるために恐ろしいまでに回り道をして掴める距離に手があれば、二人はもう二度と掴むことを躊躇わない。今まで築き上げたもの、文字通り全てを擲ってでも一緒にいたいと思える相手といるために、果たしてどこの誰に、【許される必要があるんだろう。】常に作中に、そして私の認識に影響を与えた不変の考え方です。
私たちは恋をして、愛を知って、結婚をして、子どもを授かる。至って普遍的な日常を過ごしている人がほとんどでしょう。でもそれが出来なかった人間がいたとして、落伍者だと世間から爪弾きにされたとして、だからなんだって言うんでしょう。誰も責任なんて取れやしないのに。自由と多様性を隠れ蓑にして、ゲボ吐きそうなくらいの不自由を強いる事を、この本はありありと、生々しく、美しく教えてくれました。
終盤は泣きすぎてずっと洟をすすってました。
同じ星はいつだって同じ空に瞬いている。
私が一番この世で大切にしたい人と、同じ星を見上げたいなぁと。心の底から思わせてもらいました。
ありがとうございました。







